燃え尽きた星であなたはできていて壊れることをラセンと呼んだ
かなしみが時を超えても残るならどれだけ長い濾過だったろう
we'll be mad. 走らせているシステムのエラーチェックが終わらぬように
「終わらない氷のパズルの正解が愛って、あれは違うと思う」
光ってた。(手紙はそこで終わってて、でもそれだけは伝わってきた)
++++++++++++
花おぼろぼろぼろ人はいなくなり土の上には花びらばかり (テーマ詠:オノマトペ)
燃え尽きた星であなたはできていて壊れることをラセンと呼んだ
かなしみが時を超えても残るならどれだけ長い濾過だったろう
we'll be mad. 走らせているシステムのエラーチェックが終わらぬように
「終わらない氷のパズルの正解が愛って、あれは違うと思う」
光ってた。(手紙はそこで終わってて、でもそれだけは伝わってきた)
++++++++++++
花おぼろぼろぼろ人はいなくなり土の上には花びらばかり (テーマ詠:オノマトペ)
2015年4月~頒布。添嶋譲さん編集によるアンソロジー「input selector2」寄稿作品。小説、エッセイ、詩など各ジャンルの作品が揃った作品集でした。
連作中の詞書については主催・編集担当の添嶋さんのアイデアで表示の仕方を色々工夫して頂き、なるほどこういうやり方もあるのかと目を見開く思いでした。添嶋さん、その節は本当にありがとうございました。
(2016年7月以降は出ないというtweetを拝見したので当blogに再掲することとしました。なお、主催の添嶋さんは現在静岡文学マルシェの主催等をされています)
もとは2013年秋~2014年初春にかけて詠んだ連作でした。一部他媒体掲載作品の再録があります。【】はルビになります。
今見ると色々拙く、正直各所に手を入れたくもなるのですが、でもあのとき作ってよかったなとも思います。
続きを読む
(――「月」の軌道をごゆつくりお楽しみください。)
(三日月の光に首を差し出してただくちづけを待つてたおまへ)
おまへ、三日月、こんな朧なこの夢はいつのおまへの償ひのため
鳥、おまへ、三日月、クルス、王冠の光は強い(なくしたからね)
ただおまへ、三日月だけはむかしから好きだつたろと櫛は流れる
遠ざかるおまへ、三日月 引力は手放すことを知つてるちから
「ねえだけどおまへ、三日月なんてのは光つてるのはみな嘘だから 」
さびしさや悪夢はおまへ、三日月のせいだよと告げひびく寿歌
香木はみな灰となりそらおまへ、三日月がほろほろ(それが海だよ)
満ち欠けの原理も知つていておまへ、三日月だけは満ちないと言ふ
壊れたらそのとき声をあげるだらうおまへ、三日月、シャーレ、カナリア
眼球は冷たい沙漠まばたきをするたびおまへ、三日月みたい
錆びついた金属線が足首に絡むのだらうおまへ、三日月
銅みたく光つちやいるがほんたうは死人の顔のおまへ、三日月
逆光の位置からいつもほんたうを告げくるおまへ、三日月きよら
ないないと子どものやうに呼んでいたおまへ、三日月、千年の嘘
バスタオルに濡れ髪包まれたらおまへ、三日月なんて見ない約束
みづかがみ砕き続けてねえおまへ、三日月がいつまでも死なない
(いづれの御時にか)おまへ、三日月、 あとはなんにも残らぬ記録
(そのときはおまへ、三日月、連れだつてそのまま二度と帰らぬだらう)
水銀灯、おまへ、三日月、春の夜 ましろい花がかすかに匂ふ
いつかおまへ、三日月に虹のかかるころ会へるだらうか傘さしながら
火はおまへ、三日月はもうゐないひと。さうして長い夜だけがある。
おまへ、三日月、同じ速さで歩く夜 両の手のひらからつぽのまま
おまへ、三日月、その眩しさを塗りつぶす遠い嵐を待ちわびてゐた
++++
某所で見かけたオブジェと、ちょっとした思い付きで作った連作。