つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

吹雪のあとに(角笛2)

 

カーディガンの裾はためかす早足で次のページを目指し歩いた

雪原に雪降りつづくそのなかの足跡としてピチカート鳴る

最終行でぜんぶ反転してしまう叙述のように ここも地獄だ

ヤミゴメに似たものを食べ生きている歯の抜ける夢をくりかえし見る

人混みに肩いからせて歩くときひとりひとりが既に火柱

スノードームの雪降りおえた静けさのもうなにひとつ美化するものか

あたらしい語彙見付からず踊り場の光のなかへ踵を下ろす

 

付け句

雪も灰もわからぬように閉じ込める粉雪の舞うランプの宿に

 

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山羊座の歌詠みのネットプリント「角笛2」に参加させていただきました。主催の知己凜さん、ありがとうございました。

掲載されていたエッセイの、山羊座の誕生日は年末年始のイベントと近くて色々と切ない、という話に読みながらひとり大きく頷いていました。みんなそうなんだなあ。

 

kamenote.hatenablog.com

 こちらで感想書いていただいてました。ありがとうございます。服部かほさんのお歌の読みが面白くてなるほどなあと思いました。

東京歌壇1月22日

 

ガラス器の継がれてなおも立つ様を景色と呼べば遠い虐殺

 

2017年1月22日、東直子・特選でした。ありがとうございました。

京都文学フリマでこの歌を含む連作ペーパーを配布していたところ、フォロワーさんから教えていただいてびっくりしました。

東京新聞:東京歌壇 東京俳壇(TOKYO Web)

 

同日、twitter東京新聞文化部の方に言及していただき、夜になってから気づいてもう一度びっくりしました。

昨年12月、旅先で詠んだ歌でした。

 

(2/5追記:1月の月間賞をいただいてました。)

 

 

今年作ったもの(2016)

2016年の活動記録です。

  

小説

末の姫君(アンソロジー「姫君の匣」収録)

 

短歌

文芸誌「片隅」コラボ連載「仮想記憶」(毎月掲載、5首連作×12カ月、3月まで)

m.kaji-ka.jp

うたつかい 夏号、秋号(5首連作)

ネットプリント角笛2(7首連作)

みずつき5(5首連作)

おいしい短歌(6首連作)

歌人のふんどし(相互でタイトルを出す5首連作)

三日月幻燈(24首連作)

YAMINABE(10首連作「virtual」寄稿)

 

(二次創作短歌)

現代語訳・2205(連作刀剣短歌集 fragments所収 連作23首)

橋を渡る(zabadakコンピレーションアンソロジー「There's a vision」所収 連作29首)

公募短歌集「歌集清光」(4首)「歌選兼定」(5首)

その他、本にはなっていませんが刀剣短歌のワンドロに毎週参加していました。毎回5首出していたので計80首。

 

評論・散文

文芸誌「片隅」エッセイ連載「鏡の箱に手を入れる」(隔月掲載)(3月まで)

 

典型的な承認欲求と自意識の話 - つきのこども/あぶく。

 

 

年越しバトン2016

「痛覚」でやっている年越しバトン。毎年参加させて頂いております。
昨年に引き続き、今年も少し早めに書いてしまおうと思います。

 


・2016年のこの一冊! という本を教えて下さい。(2016年発行でなくとも構いません。コミック可)

国家神道(村上重良)

<p">多分この分野では基本文献なのだろうなと思いつつ、教育勅語と宗教政策の両面からの価値観の醸成については読んだとき本当にショックだったのを覚えています。言及した文章ではこのあたり(1190夜『国家神道』村上重良|松岡正剛の千夜千冊)が読み応えありました。

 

他、斎藤斉藤の「人の道、死ぬと町」、過去にもあげた「はじまりのはる」の3巻も良かったです。

ちなみに去年は美術手帖 2015年 09月号 | 本 | Amazon.co.jp でした。

 

・2016年のこの一曲! という曲を教えて下さい。(2016年リリースでなくとも構いません)

いろいろ考えたのですが、ちょっと今年は浮かびませんでした。色々CDは買ってるんですが……。

ちなみに昨年は星野源地獄でなぜ悪い」。

 

・2016年一番注目していた人を教えて下さい。

(名前) 特になし。

 

・2016年の重大ニュースを3つ選んでください。

1イギリスのEU離脱、アメリカ大統領選、今上天皇退位問題
2相模原障害者施設殺傷事件
ポケモンGOの流行

 

1位でこれはずるいかなと思いつつ、この3つはある意味リンクしているような気もします。

2位についてはこのblogでも関連エントリー

典型的な承認欲求と自意識の話 - つきのこども/あぶく。 )を書きました。

3位、ARやVRはむしろ来年以降に色々革新的なものが出るという話もありますが、爆発的な流行という意味では結構大きなことだったのではと思います。Oculusも一般化してきましたし。

 

・2016年の流行語を勝手に選んでみてください

「物語」。

ちなみに去年は「ポリティカル・コレクトネス」にしていました。

 

・2016年の漢字を一字選んでください。

「別」

区別の別、別離の別。「変」と迷いました。

ちなみに去年は「斬」、一昨年は「空」としていました。

 

・あなたが2016年一番嬉しかったことは何ですか?

 文学フリマで個人誌を出しました。活版印刷の表紙デザインを依頼したのですが、良いものになったなと思います。

 直島と豊島に行けたのも良かった。豊島美術館はおすすめです。

 (諸事情により現時点で余り詳細が書けないんですが)人に会って話を聞けたこと。

Coccoのライブに行けたこと。踊りの映像が綺麗でした。

 

・あなたが2016年一番悲しかったことは何ですか?

 上にもあげましたが相模原の事件でしょうか。

 ちなみに去年は複数あげていますが、自分の創作を信じられなくなったこと、を上げていました。これは今も残っていると思います。


・あなたが2016年ハマったもの(こと)を教えてください。 

 特にないかな? 同人誌の 編集企画をしてました。

 

・あなたにとって2016年はどんな年でしたか?

 転職した年。

 あらゆる場所でとにかくマネジメント能力を求められた年。

 色々なものを取り戻そうとしつつ、鈍麻していった年。

 きっとエンタメ作品が豊作な年だったと後世に記録されるのだろうと思いつつ、zabadakの吉良さんや演出家の蜷川さんが亡くなったのは本当にショックでした。スターウォーズレイア姫R2-D2の役者さんが亡くなったのもさびしかったです。いわゆる世代交代の時期なのかもしれませんが、それにしても早い、という方が何人もいたような。

 2015年に負った傷を抱えたまま過ごして、1年であったような気もします。色んな綺麗なものに触れたのにちゃんと受け止められなかった気がする。

 

・2016年にやり残してしまったなあということはありますか?

 今年も東北にいけなかった。。。
 本を読んでないのは相変わらず。積読が増えています。

・2017年の目標を教えてください。

 一次創作の短歌をがんばりたいな、と。去年と今年は二次を頑張りました。と思いつつ、「物語」についてはまだまだ考え続ける気がします。

 マネジメント能力は引き続き求められそう&占いでも体力をつけろと言われたのでタフになりたいです。

 人と会う機会を増やすのも、引き続き。

 

・2017年のヒットアイテムを予想してください!(グッズ、流行語、タレント、ファッション等)

 人形、ミニチュア。フィギュアやぬいぐるみなどは既にはやっていますが、ミニチュアグッズが増えていくのでは。

 ヒットアイテムというか、以前からかもしれませんが、海外のものがどんどんはやらなくなるのでは、と思います。

 労働関係在り方や考え方はしかしたら色々変わるかもなというのと、何かをリユースする、というやり方が増える気がします。

第二十三回東京文学フリマに参加します。

表題の通りです。相変わらず寄稿その他が多いのでまとめました。

 

新刊:個人誌

fragments(刀剣短歌集)

ウ68「bl短歌合同誌実行委員会」に委託。オンラインゲーム「刀剣乱舞ーONLINEー」の二次創作短歌の歌集です。

c.bunfree.net

実は二次創作短歌の個人誌自体は別ジャンルですが以前にも作っており、こっそり文学フリマに持ち込んだこともあります(言われたら出す方式にしていた)。

小説も短歌も一次二次両方やっていて、自分の中では余り差がない一方、想定読者(とすべき)層が異なることについて、特に短歌に関してはなかなか自分のスタンスが定まっていなかったのですが、一度きっちり全力でやってみようと思いこういう形になりました。再録メインですが、今書けるものの全力は出したつもりです。

(なお文学フリマは「自身が文学だと思うものを売る場」なので、二次創作の本を出すことについての制限はありません。今私が全力で出せる「文学」はこれなのかなと思います)

ちなみに文学フリマの結構初期からお手伝いで参加してるのですが、実は文学フリマでコピー誌でない個人誌を出すのは今回が初めてです。小説は随分前にコピー誌を二冊出していたんですが、まさか印刷所に出す本が短歌の本になるとは思わなかった。

こちらでは来年5月に出る共有結晶別冊・二次創作短歌特集本のフライヤーも置かせていただいています。特集本は不詳主催をしています。

 

新刊:寄稿

YAMINABE vol.1

こちらもウ68「bl短歌合同誌実行委員会」にて頒布。平田有さん編集による文芸誌です。短歌10首連作「virtual」で参加しています。

「YAMINABE Vol.1」BL短歌合同誌実行委員会@第二十三回文学フリマ東京 - 文学フリマWebカタログ+エントリー

 

新刊:寄稿

おいしい短歌

ウ57「うたつかい」にて頒布。食べ物等をテーマにした公募型短歌アンソロジーです。ロイヤルミルクティーをテーマにした連作6首「向こう岸まで」で参加しています。

同スペース頒布の「うたつかい秋号」「歌人のふんどし」にも参加しています。

「おいしい短歌」うたつかい@第二十三回文学フリマ東京 - 文学フリマWebカタログ+エントリー

 

 

既刊:寄稿

姫君の匣

C33「痛覚+wilhelmina」にて頒布。お姫様がテーマの4名による小説アンソロジーです。ゲストに唐橋史様をお迎えしました。夏のコミティアで頒布しているのですが、文フリでは初の頒布になります。

わたしは「末の姫君」というお話を書きました。初のトップバッターです。

c.bunfree.net

 

既刊:寄稿

There's a vision

C17「冬青」にて頒布。バンドzabadakの楽曲をテーマにしたコンピレーションアンソロジーです。今年の5月にコミティア等で頒布、既に残部僅少とのこと。CDサイズのきれいな本です。

「五つの橋」をテーマにした連作二十九首「橋を渡る」で参加しています。連作について、過去に書いたライナーノーツはこちら。→

ライナーノーツ(曲連想創作アンソロジー「THERE'S A VISION」(5/4SCC))、他(片隅での連載終了について) - つきのこども/あぶく。

 

c.bunfree.net

 

よろしくお願いします。