つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

あめがやむまで

6/13~6/15にtwitterで行われた「付け句祭」で書いた付け句による50首連作です。

ハッシュタグ「#雨がやむまでこのままでいい」を使用、下の句を「雨がやむまで~」とした短歌を各自がTLに投稿していました。なお「付け句祭」自体はいろいろなお題で開催されているようです。

主催者様ありがとうございました。

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シュレディンガーの傘(みずつき6)

シュレディンガーの傘

 

どこからが雨雲なのかわからない空の下でも無防備だった

ロッカーの遠い密室開くまでシュレディンガーの傘の花柄

曇天に開くてのひら法律が雨になるまであとどれくらい?

紫陽花に香りはなくて暗がりに寄り添いあえば震える睫毛

雨の気配、雨の匂いを遠ざける天井ボードの乾いた白さ

干上がれば点字のようにしろじろといつかひかりはしない 言葉は

 

 

毎年梅雨の時期に実施されている企画、みずつき6に参加しました。毎年、ではないですがテーマが好きなこともあって結構参加させていただいてます。

主催の千原こはぎさん、ありがとうございました。

夜の続き(うたつかい・2017年春号)

夜の続き

 

甘やかに庇護されている夢を見た夜の続きはいつでも朝だ

 

墓所のごと返信のたび増える署名スクロールバーは仕事を終えて

 

花のつく季語という季語ぶちまけた君の狼煙がこんなに綺麗

 

音もなく加湿器は白い霧を吐く目眩むほどの光もあったが

 

ちょっとした生前葬をなんどでもしようよ春って花だけはある

 

 

テーマ詠:お店

駅ビルの花屋が五百円で売る花束に似たやさしさください

 

テーマ詠はかなり前に作ったものの再録でした。