「さやうでございまする。私は総じて、見たものでなければ描けませぬ。よし描けても、得心が参りませぬ。それでは描けぬも同じ事でございませぬか。」
この文章の概要:
鷺沢朱理の歌集『ラプソディーとセレナーデ』は古今東西の様々な題材をモチーフにしつつ、美とそれに執着する創作者という主題をどこまでも展開させていった歌集ではないか。
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芸術家たち
捧げよう暗い星さえあたためる積み木細工の静かな歌を
千年の流刑に処され芸術は襤褸の服着た不穏な獣
気が付けばくりかえし逢うちはやぶる神さま(そんなんじゃないだろう?)
あああれは彗星だけど(見てなさい)凛として咲く王国の花
まっすぐなあなたの歌に止んでいく霧雨あれがほんとうの声
さて此処は過去の遺恨をぐっと呑む治安の悪い極楽なのか
Exit the darkness.つまりいるだけでなんでもいいさ、訪れろ愛
流転する流れ星さえしめやかに生きてゆくから もう逢えない
いまはもうがらんどうでも死ねなくて高らかに鳴る深刻な歌
嘘と激情
八月のすべらかな嘘 過去なんて手にも取れない月のようだと
あおむけば枕と吾に射してくる濾過の終わらぬ海辺のひかり
もうずっと輪廻の鈴が騒がしく地図を開いて秋を臨んだ
行きますか? 目の前にある現実を正しいだけの牢獄として
貴方だよ命は火だよ目の前のgood luckは見ないで掴む
激情はとうめいなまま墨染めに虞美人草は累々と咲け
雨の日のムラ染めみたいラブなんて無視したままで抱くよ水玉
河岸には見えない霧が立つけれど今逢いたくて凱旋の歌
共有結晶vol.4頒布記念Twitter企画、#推しの名前をつぶやくとリプライで折句が返ってくるかも知れない に。 2018年11月頃の企画でした。なお、歌は一部改作しています。
お題を下さった皆様、有難うございました。
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「痛覚」でやっている年越しバトン。毎年参加させて頂いております。
昨年に引き続き、今年も少し早めに書いてしまおうと思います。