つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

東京文学フリマに参加します。

タイトル通りです。今年もいろいろ出してます。 新刊 G11 BL短歌合同誌製作委員会 「ヴァーチャル・リアリティー・ボックス」 私家版歌集です。2012年から2017年までの200首強を収録しました。 装丁・誌面デザインは倉又美樹さんにお願いしました。 共有結晶…

The October People(仮装俳句 より)

花嫁にいつか捧げる草の花 薬掘るもはや死からは遠けれど 本物は白、囮には赤い薔薇 ともだちもぼくも映らず水澄めり 遠目には渡り鳥にも見えるだろう 凶作やドラッグストアの増血剤

東京歌壇10月29日

学習性無力感のごとき雨はふり雨音のなか私は眠る 東直子欄・選でした。ありがとうございます。

ワンルーム・サイレンス(back 2 back)

於東京駅弘済会 昭和二十二年三月二十八日 春雨の中に購ふ。 句集「春」買ふて濡れゆく家路かな / 柳白塘 (現代俳句叢書1 句集「春」(日野草城)末尾の書込み) ※ うつくしい冬への扉あけはなつ話すことなどなんにもなくて 訪うや把手冷たきワンルーム 夕…

現代詩手帖と刀剣短歌について

現代詩手帖10月号の誌上アンソロジー連載企画「川口晴美と、詩と遊ぶ」掲載・石原ユキオさんの俳句連作「四代目中村地球三郎第一句集『宙乗(スペース フライト)』より」の俳句詞書として拙訳による短歌「ほろぐらむ夢のあなたを手にかけてしんと明るむ愛と…

東京歌壇10月22日

沈黙の重さ言葉の重さとを果実のように割れなくて手は 佐佐木幸綱欄・選でした。ありがとうございます。

東京歌壇10月1日

夕焼けがはんぶん以上を占める窓ここでは雲は都心からくる 佐佐木幸綱欄・選でした。ありがとうございます。

夜の森(うたつかい2017年秋号)

木の燃える夢を見たからあなたへの言葉はみんな通じないだろう 濡れてゆくみどりよみどり石鹸が泡立つように泣く人だった わたしからわたしはずっと逃げられない夜の森 めくらめっぽう歩く ライナスの毛布みたいな朝焼けの青に静かに挽歌は降るよ 密室に射し…

花を贈る(短歌解凍掌編)

自分がにんげんでないことに気付いたのがどれほど前のことであったか、もう覚えていない。 にんげん達や獣たちにひとしく流れる時の川、そのさざ波はわたしのもとには届かない。あるいはひどくゆっくりと、海に落とした木の実のような遠さで届くらしい。同じ…

東京歌壇9月17日

かつて火が本を燃やしていたことの 真夜、風の音を確かめている 東直子欄特選でした。ありがとうございます。 東京新聞:東京歌壇 東京俳壇(TOKYO Web)

図書館ほしまつり

(当館にある星の本を集めました。) あるびれお 新潮文庫の青色に浮かぶ十字に手は重なって 夏の月まだ百歳にもなってないぼくたちだからまちがいばかり すべて星、あるいは星であったもの。(天の光はすべてみなしご) 幼年期終わらぬままに夜は降り取り残…

東京歌壇9月10日

混ざるほど色は濁るものシスレーの点描の間のうつくしい白 佐佐木幸綱欄・選でした。ありがとうございます。

東京歌壇9月3日

風船の糸は長くてどこかへとつながれている快楽 ゆれる 東直子欄・選でした。ありがとうございます。

夜の森(poecrival2)

木の燃える夢を見たからあなたへの言葉はみんな通じないだろう 濡れてゆくみどりよみどり石鹸が泡立つように泣く人だった ライナスの毛布みたいな朝焼けの沈黙 挽歌を信じそうだよ 指の爪ひとつひとつが鳥であり飛べと命じて色づけている 開けたってからっぽ…

東京歌壇8月20日

中空の月など見てる顔をしてカーブミラーのわたしが曲がる 東直子欄・選でした。ありがとうございます。

season words(CDTNK夏フェス2017)

わたくしがわたくしを殴る縁日の琉金 尾っぽのあざやかなこと 髪洗ふおふぇりや達にことば、ことば 湯上がりのような顔して改札を並んで抜けて明日の約束 真夜中のしづかな踊りぼくの影 ハンドソープ押しだすように陽はあふれ死者と生者の影淡くなる 突き出…

東京歌壇8月6日

行政を侍女と呼ぶときおそらくは男であろう政治と思う 佐佐木幸綱欄・選でした。ありがとうございます。

東京歌壇7月30日

密室に差した光を星と呼ぶ あなたは星で鍵ではないね 東直子欄・選でした。ありがとうございます。

東京歌壇7月23日

映写機がどこか遠くで回りだすいくたび辿るこの帰路だろう 東直子欄・特選でした。有難うございました。 東京新聞:東京歌壇 東京俳壇(TOKYO Web) 8/6追記 7月の月間賞でした。ありがとうございます。

東京歌壇7月2日

まちがいのもっともすくない家事としてぬぐい続ける丸皿のへり 東直子欄・選でした。ありがとうございました。

あめがやむまで

6/13~6/15にtwitterで行われた「付け句祭」で書いた付け句による50首連作です。 ハッシュタグ「#雨がやむまでこのままでいい」を使用、下の句を「雨がやむまで~」とした短歌を各自がTLに投稿していました。なお「付け句祭」自体はいろいろなお題で開催…

シュレディンガーの傘(みずつき6)

シュレディンガーの傘 どこからが雨雲なのかわからない空の下でも無防備だった ロッカーの遠い密室開くまでシュレディンガーの傘の花柄 曇天に開くてのひら法律が雨になるまであとどれくらい? 紫陽花に香りはなくて暗がりに寄り添いあえば震える睫毛 雨の気…

東京歌壇6月11日

やさしさを花にたとえるひとがいたユートピアってマメ科だろうか 東直子欄・選でした。ありがとうございました。 twitterのフォロワーさんが同じ欄にいてちょっと嬉しかったです。

東京歌壇6月4日

あたためたミルクのために一度だけレンジのベルは鳴りまた夜になる 東直子欄・特選でした。ありがとうございました。 東京新聞:東京歌壇 東京俳壇(TOKYO Web)

夜の続き(うたつかい・2017年春号)

夜の続き 甘やかに庇護されている夢を見た夜の続きはいつでも朝だ 墓所のごと返信のたび増える署名スクロールバーは仕事を終えて 花のつく季語という季語ぶちまけた君の狼煙がこんなに綺麗 音もなく加湿器は白い霧を吐く目眩むほどの光もあったが ちょっとし…

Vuelta(アニポエvol.5「スポーツアニメ特集」)

Vuelta 蓋取れば茄子の酢漬けの五日目は食べ頃としてしずもりをりぬ コンセント挿せばちひさく散る火花ゆめの甘さは遠くなりけり 風戦ぐアンダルシアを映すときブラウン管に立つ砂嵐 消失点 破線であつた白線がいつぽんとなり漕ぐ吾がゐる ブレーキを握らぬ…

東京歌壇5月7日

公の字がやがてはハムになるまでを見守っている 骨さえなくて 東直子欄・選でした。ありがとうございました。 余談ですがこの日の新聞の東京歌壇上に掲載されていた「米国人カメラマンが撮った「フクシマ 不屈のサムライ」 江戸末期の撮影技法で「まるで幕末…

大夕焼( #二次創作短詩ポスカラリー ・2)

飛べぬなら鳥には死ぬも同じだと告げくる君の呼吸熱くて 狩るときの眼はいつぽんの矢のごとし黒き鏃(やじり)が獲物へ向かふ 心臓を抉れるほどに近づけばとろ火のごとく匂ふ肉叢(ししむら) 夜は降るやわらかき草育める短き雨の静けさのなか 殺したと顔を歪め…

幻の棹( #二次創作短詩ポスカラリー ・1)

「それはまた別の話」と締めらるる寓話のごとく会話は途切れ 陽を浴びし乳白釉の幹のいろ風吹けばふとほの明るみぬ 池水が翡翠のごとく凪ぐ真昼ときに人語は檻のごとしも 忘れてはまだをらぬゆゑいつまでもすつとぼけたる会話が続く たまさかのふたり過ごせ…

共有結晶別冊企画ごあいさつ(または、金属バットを無理なく無駄なく振る方法について)

共有結晶別冊企画(二次創作短歌非公式ガイドブック。詳細はこちら)のごあいさつです。好きな劇団はいつも開演前にごあいさつを書いた紙を配っていてそれを席で読むのが好きなのですが、そんな感じです。 別冊は企画書から書いていることもあり、前書きやら後…