つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

2013-08-18から1日間の記事一覧

サルベージ・遠くを見やるのは真昼

あ。わたしの中の水位が上がりだし波際白くあわ立っている。 夏の灯はみな脈をもちここからは素足で触れてゆくアスファルト この夏も過ぎてゆくものだと思う光る窓辺の影ばかり見る 夕暮れに塗り潰されていく私 君から見れば影なんだろう 誰も誰も悪い人など…

048:アルプス(円)

がっこんと滝の速さで落ちるのでしゃがんで掬うアルプスの水

047:繋(円)

夕映えに揺れる手のひら繋がれてのぼりだしたら訪れる夜

046:間(円)

眩しいと思った夏の影は長い人と人との谷間も暮れる

045:喋(円)

息をまた大きく吐いて喋るたび君は泡、泡、泡の向こうへ