つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

うた

私家版歌集「ヴァーチャル・リアリティー・ボックス」について

2017年11月に頒布開始した私家版歌集「ヴァーチャル・リアリティー・ボックス」についての情報です。

その器は欠けている(みずつき7)

その器は欠けている 海へ降る雨を日永に眺めれば火は一人称を知らないままで テーブルのペットボトルの紙コップななめのままに了承される 開かれて床に散らばるとりどりの そうかおまえもhydrangea 国会質疑書き起こしメモ読む昼休み台風の目は馬の目のよう…

東京歌壇5月20日

断面に盛り上がりだす水滴のわずかに纏う刃物の匂い 東直子欄特選でした。ありがとうございます。 東京新聞:東京歌壇 東京俳壇(TOKYO Web)

ひとつだけ(うたつかい30号)

ひとつだけ ひとつだけ、とねだった花にみえるから燃やしていない線香花火 トリ、メダカ、ロボット、サクラ、ライカ、ベルカ 名づけるほどにさみしくなった 色彩で話せるならばいまはもう菫色、の、濃淡ばかり ベランダに火薬の匂い残るころ燃えさしとして眠…

東京歌壇5月13日

飲み干したカップ下ろせば鳴る音の星座をつくるようにさみしい 東直子欄選でした。ありがとうございます。

東京歌壇4月1日

あ、梅が、もう咲いてるよと言うために俯けば液晶にはなびらの降る 東直子欄選でした。ありがとうございます。

Update failed. (バレンタイン二次創作短歌公募企画)

にんげんのうるさい身体もてあます目も肩も手も勝手に動く 血液に滋養を与へ、精神を補ふといふしよこらあととは たましひを補ふ菓子のあるならば奪はれることも これが心臓 美しくあれ鋭くあれと人に望まれし我等の如き西洋の薔薇 Update failed due to dat…

無題(poecrival3)

いつたい何をされてゐたのか分からねど誰にも言へず林檎を食めり バックラッシュ、フラッシュバックとふ言葉見ればしきりに飛沫のかかる

東京歌壇3月11日

青空の真下にひとり立つそんな作中主体に前にも会った 東直子欄・選でした。ありがとうございました。

都をどり短歌賞

長時間露光のなかに咲きいづるだらりの帯の金糸の刺繍 京都造形芸術大学文芸表現学科・上終歌会主催による「都をどり短歌賞」の題二つ「都をどり」「春」のうち、「都をどり」で大賞でした。ありがとうございました。 受賞作品は「都をどり」開催期間中のウ…

カタコンベの魔女

Twitterの#魔女集会で会いましょう、あるいは#魔女歌会タグに。

リップ・ヴァン・ウィンクル(角笛3)

リップ・ヴァン・ウィンクル もう二度と会わない知らないひとだから心置きなく手を振っていた それぞれの記憶の海の色合いをことばの中で混ぜ合わせては ポケットをひっくりかえすたぶんもう切符はとうに配られていた 習い覚えた異国の言葉になじめずになじ…

創世記から(CDTNK短歌再録)

それぞれに神話を語り火を灯す OK,Google、創世記から ルンバにも進化はあって水掻きの名残のような地雷の記憶 あなたにはあなたの心拍数がありあなたの時間がある 手を握る

東京歌壇1月14日

夕立のあとの地面のにおいだよ裸足のようにあかるい空だ 東直子選でした。ありがとうございます。

あしたのタンポポ(文フリフリーペーパー再録4・コピペ短歌)

あしたのタンポポ かみさま くるはずのないあなたにはタンポポ光るきんのかんむり 三日月に指切りをして迷わない目が覚めたならぼくら大人だ ひとりなら得意なはずとふるえぬよう見渡す限りの思い出をくれ くい込んだ右手のシワの描いた絵の 今夜のことは忘…

太陽だった(文フリフリーペーパー再録3・コピペ短歌)

太陽だった 約束を どんな言葉を並べても今は雨さえ眩いばかり 忘れたくないから世界を讃えるよことば言葉 君が足りない 雨の狭間 両手で抱えきれなくて愛しかったことだけが真実 薄化粧した淋しさを抱きしめる山ほどの花どうもありがとう 愛なんてきっと神…

ごどーはいないね(文フリフリーペーパー再録2・コピペ短歌)

ごどーはいないね 待つばかりだけど開幕当面は透明なのは当然だから 全力でいっても所詮迷うから最小限でまわるプロペラ 背には花 絶頂はいまだけのものそいつは良いとお前は言って おれもお前も総集編とかないからさ素通りされてわらうしかない でもいつか…

運ぶ 揺らす(文フリフリーペーパー再録1・コピペ短歌)

運ぶ 揺らす 一人から恋は生まれるこんなにもみにくい夜が色づくなんて 白鳥とカラスがたぶん似てること虚構の街に風がふくこと 物心ついてからいつも泣きそうだこの世の誰にも意味なんてない 混ざるのは指だけだからいつかいつか見えなくなると君を揺らした…

東京歌壇11月26日

真夜中の林檎の赤が透けてゆくわたしたち火をちゃんと使える 高温で焼かれた記憶あたたかい赤い煉瓦の駅舎を抜ける 1首目が東直子欄特選、2首目が佐々木幸綱選でした。ありがとうございます。

グッナイ・バディ(ネプリ企画再録2)

ただいまと誰にともなくつぶやいて静かな部屋にあかりを灯す おかえりと迎えるはずが力尽き今夜も猫に先を越される 金の瞳をほそめて彼はしらんぷりきみとの今日のいたずらのこと 本日も不肖下僕の背に乗ってご満悦なる猫さまでした ちぐはぐなバディよすす…

デイジー・デイジー(ネプリ企画再録1)

あおいあおいGoogleEarthの海底が今日も綺麗で海に行きたい 港まで道案内をしましょうかそれとも空を見上げましょうか 真空の宇宙で星は歌うこと それで恋人は君にいますか 恋人がいれば今ごろ夕焼けの青くかがやく火星にいます ロケットは持ってないからで…

The October People(仮装俳句 より)

花嫁にいつか捧げる草の花 薬掘るもはや死からは遠けれど 本物は白、囮には赤い薔薇 ともだちもぼくも映らず水澄めり 遠目には渡り鳥にも見えるだろう 凶作やドラッグストアの増血剤

東京歌壇10月29日

学習性無力感のごとき雨はふり雨音のなか私は眠る 東直子欄・選でした。ありがとうございます。

ワンルーム・サイレンス(back 2 back)

於東京駅弘済会 昭和二十二年三月二十八日 春雨の中に購ふ。 句集「春」買ふて濡れゆく家路かな / 柳白塘 (現代俳句叢書1 句集「春」(日野草城)末尾の書込み) ※ うつくしい冬への扉あけはなつ話すことなどなんにもなくて 訪うや把手冷たきワンルーム 夕…

東京歌壇10月22日

沈黙の重さ言葉の重さとを果実のように割れなくて手は 佐佐木幸綱欄・選でした。ありがとうございます。

東京歌壇10月1日

夕焼けがはんぶん以上を占める窓ここでは雲は都心からくる 佐佐木幸綱欄・選でした。ありがとうございます。

夜の森(うたつかい2017年秋号)

木の燃える夢を見たからあなたへの言葉はみんな通じないだろう 濡れてゆくみどりよみどり石鹸が泡立つように泣く人だった わたしからわたしはずっと逃げられない夜の森 めくらめっぽう歩く ライナスの毛布みたいな朝焼けの青に静かに挽歌は降るよ 密室に射し…

東京歌壇9月17日

かつて火が本を燃やしていたことの 真夜、風の音を確かめている 東直子欄特選でした。ありがとうございます。 東京新聞:東京歌壇 東京俳壇(TOKYO Web)

図書館ほしまつり

(当館にある星の本を集めました。) あるびれお 新潮文庫の青色に浮かぶ十字に手は重なって 夏の月まだ百歳にもなってないぼくたちだからまちがいばかり すべて星、あるいは星であったもの。(天の光はすべてみなしご) 幼年期終わらぬままに夜は降り取り残…

東京歌壇9月10日

混ざるほど色は濁るものシスレーの点描の間のうつくしい白 佐佐木幸綱欄・選でした。ありがとうございます。