つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

うた

東京歌壇7月2日

まちがいのもっともすくない家事としてぬぐい続ける丸皿のへり 東直子欄・選でした。ありがとうございました。

シュレディンガーの傘(みずつき6)

シュレディンガーの傘 どこからが雨雲なのかわからない空の下でも無防備だった ロッカーの遠い密室開くまでシュレディンガーの傘の花柄 曇天に開くてのひら法律が雨になるまであとどれくらい? 紫陽花に香りはなくて暗がりに寄り添いあえば震える睫毛 雨の気…

東京歌壇6月11日

やさしさを花にたとえるひとがいたユートピアってマメ科だろうか 東直子欄・選でした。ありがとうございました。 twitterのフォロワーさんが同じ欄にいてちょっと嬉しかったです。

東京歌壇6月4日

あたためたミルクのために一度だけレンジのベルは鳴りまた夜になる 東直子欄・特選でした。ありがとうございました。 東京新聞:東京歌壇 東京俳壇(TOKYO Web)

夜の続き(うたつかい・2017年春号)

夜の続き 甘やかに庇護されている夢を見た夜の続きはいつでも朝だ 墓所のごと返信のたび増える署名スクロールバーは仕事を終えて 花のつく季語という季語ぶちまけた君の狼煙がこんなに綺麗 音もなく加湿器は白い霧を吐く目眩むほどの光もあったが ちょっとし…

Vuelta(アニポエvol.5「スポーツアニメ特集」)

Vuelta 蓋取れば茄子の酢漬けの五日目は食べ頃としてしずもりをりぬ コンセント挿せばちひさく散る火花ゆめの甘さは遠くなりけり 風戦ぐアンダルシアを映すときブラウン管に立つ砂嵐 消失点 破線であつた白線がいつぽんとなり漕ぐ吾がゐる ブレーキを握らぬ…

東京歌壇5月7日

公の字がやがてはハムになるまでを見守っている 骨さえなくて 東直子欄・選でした。ありがとうございました。 余談ですがこの日の新聞の東京歌壇上に掲載されていた「米国人カメラマンが撮った「フクシマ 不屈のサムライ」 江戸末期の撮影技法で「まるで幕末…

東京歌壇4月30日

君はいつも冬の匂いと告げられてまき散らしてる小さい火花 東直子選・特選でした。有難うございます。 www.tokyo-np.co.jp

NHK短歌2017年5月号・ジセダイタンカ

NHK短歌2017年5月号、ジセダイタンカの欄に短歌7首連作「Border」と短い文章が掲載されました。ジセダイタンカの欄は天野慶さんが編集を担当されており、見開き1ページに3人の連作及び文章、1名の歌集紹介が掲載されることになっています。法橋ひら…

東京歌壇4月16日

いまはただあなたひとりの真っ白なカーテンとして夕焼けを待つ 東直子選・佳作でした。 webで一首評をいただいていました。ありがとうございます。他の記事を見てタイトルがアナグラムなんだなと暫く経ってから気が付きました。 note.mu

そして崩れる

そして崩れる わたくしの影も眼鏡を持っていて時折外しレンズを磨く 俯いた君をまっすぐ貫いていつかは帰る星なのだろう やわらかなだるま落としとして甘いパンケーキつむ(ちょっと崩れる) さいはてかさいしょの場所かわからずにふたり見つめる海の青さよ …

エヴァンを棄てる 他( #vdbl俳句 2017)

エヴァンを棄てる 泥拭い落としひとりのバレンタイン 夜の梅スニッカーズはちぎるもの 告白はしないが 魚(うお)は氷(ひ)に上る 銀紙のちりちりと鳴る愛の日よ たんぽぽを頭にのせてチョコになれ みんなうそ。猫の舌とはチョコのこと。 朧月キットカット…

遠い虐殺(京都文学フリマ・短歌連作フリーペーパー)

ただしかった、ただしかったとくりかえすあなたのための夜のクリック 水面に指ふるるごとログインのたびにぼやける感情がある ガラス器の継がれてなおも立つ様を景色と呼べば遠い虐殺 どんな夜だっていつかは明ける(福田恒存 訳) 明けない夜は長いからな…

吹雪のあとに(角笛2)

カーディガンの裾はためかす早足で次のページを目指し歩いた 雪原に雪降りつづくそのなかの足跡としてピチカート鳴る 最終行でぜんぶ反転してしまう叙述のように ここも地獄だ ヤミゴメに似たものを食べ生きている歯の抜ける夢をくりかえし見る 人混みに肩い…

東京歌壇1月22日

ガラス器の継がれてなおも立つ様を景色と呼べば遠い虐殺 2017年1月22日、東直子・特選でした。ありがとうございました。 京都文学フリマでこの歌を含む連作ペーパーを配布していたところ、フォロワーさんから教えていただいてびっくりしました。 東京新聞:…

We'll be mad(うたつかい2016年秋号)

燃え尽きた星であなたはできていて壊れることをラセンと呼んだかなしみが時を超えても残るならどれだけ長い濾過だったろうwe'll be mad. 走らせているシステムのエラーチェックが終わらぬように「終わらない氷のパズルの正解が愛って、あれは違うと思う」光…

花と狼(うたつかい・夏号)

まだ夢に浸かった顔をしてきみは春の油を額に受ける ユートピア・ユーフォリア・束の間の花 春に咲く花すべてうたかた でもそれがきみの心臓。歌なんて嘘と知ってるふり、花あかり 無防備にからだごと投げ出せるのは羽根を持たないひとの特権 君の狼を信じる…

まもられて、いる?(短歌30首連作・input selector2寄稿作品)

2015年4月~頒布。添嶋譲さん編集によるアンソロジー「input selector2」寄稿作品。小説、エッセイ、詩など各ジャンルの作品が揃った作品集でした。 連作中の詞書については主催・編集担当の添嶋さんのアイデアで表示の仕方を色々工夫して頂き、なるほどこ…

三日月幻燈(連作24首)

(――「月」の軌道をごゆつくりお楽しみください。) (三日月の光に首を差し出してただくちづけを待つてたおまへ)おまへ、三日月、こんな朧なこの夢はいつのおまへの償ひのため 鳥、おまへ、三日月、クルス、王冠の光は強い(なくしたからね) ただおまへ、…

聞こえなくても(みずつき5)

青空の下で見ていたひどい夢いつかあなたに降りかかる雨 街灯に夜の草むら香りだし死者の記憶は立ち上がるもの 雨音にこめかみ冷えてお祈りは聞こえなくても続く(けれども) 両手からこぼれるように慣れるだろう負けていること目を伏せること 散る花をアス…

サヴィル・ロウにて(キングスマン・二次創作俳句連作)

サヴィル・ロウにて 秋の虹眼鏡をかけて人と会う 幽霊と囲む円卓桐一葉 荻の声お前の父を知っている スノッブと呼ばれて呼んで蛍病む 花桔梗「manners maketh man」と説き 涼しさや大きくなれぬパグといる 人類は致死性の熱遠花火 蟲送る血を見ることに慣れ…

うたつかい・秋号

革命と水 革命のような喧躁遠くなり三四郎池にぽっかりと泡 坂を下りる。乾いたからだで降りていくかつては水の流れたところ ひたひたと水は彼方で脈を打ち舗道の影が滲みはじめる わたくしに流れこむ水(忘れたの)生まれたときはみな濡れていた 痛むほど光は…

うたらば・ブログパーツ短歌

過労死の多い炭鉱であるほど小鳥の声は澄むという嘘 (テーマ:声) もともとは3年前に詠んだ短歌でした。有難うございました。

連作・そしてまた夜は(アンソロジー・人は死んだら電柱になる 寄稿作品)

2014年夏コミ頒布開始「人は死んだら電柱になる」アンソロジーへの提出作品です。アンソロジーは現在は頒布終了 、国会図書館に納入されています。詳細は以下から。 人は死んだら電柱になる | アンソロジー告知サイト 掲載当時はレイアウトも各自で自由に決…

百年(うたつかい・夏 第23号)

グーグルで誰か検索したらしい「百年の孤独 入手方法」 無理なものは無理なんだってちゃんと思う近況メールは片手で閉じる 過労死の多い炭鉱であるほど小鳥の声は澄むという嘘 何もかも人に見立てて遊びすぎた私は何の擬人化だろう だいじょうぶ、だいじょう…

うたらばvol.13 【花】

生きること忘れることのバランスがまだ取れなくて抱いている花 写真つきの掲載でした。有難うございました。 佳作のこころさんと、木下龍也の最後に掲載された歌が好きでした。http://www.utalover.com/book.html

たましいのこと(うたつかい・春 第22号)

たましいの欠けてうまれてきたことを男や女ともうよばないで 治してはだめな傷だと思うから磨きあげては添える切り花 君の夢君と見た夢(きみはゆめ)光る荒野を駆けていく夢 感情が流れ去るのを見送って水の入った器を透かす カーネーション(造花のような思…

うたらば・ブログパーツ短歌

眠れない夜のリロードくり返しまつげはみんな小鳥に変わる (テーマ・返)

百を巡る短歌

Googleで誰か検索したらしい「百年の孤独 入手方法」 候補作でした。結果はこちら。 百を巡る短歌コンテスト、発表! - じゃぽブログ

NHK短歌1月号

ささやかなものを信じる柄物の腹巻祖父をお願いします (斉藤斎藤選 ・佳作 テーマ:腹・おなか)

2014紅白短歌合戦 / #バンド短歌カウントダウンライヴ2014

2014年のtwitterの年越しイベント二つに参加しました。 それぞれ以下の歌を提出・参加しています。今年も有難うございました。

さよならsandpit歌会

まなうらでくりかえす濾過(生きてたらもうそれでいい)硅砂が落ちる 山階基さん企画の歌会でした。題詠・砂。sandpitは砂場の意味ですがカフェの名前でもありました。 43名参加、沼尻つた子さんと一緒に大賞でした。ありがとうございます。 他の方の作品はこ…

てとてとたんか2

ジャグラーの手つきで空へ投げあげる苦しさ示すすべての語彙を 千原こはぎさんの企画、てとてとたんか2に参加しました。 手に関する短歌を手の写真と一緒に、ということで写真も撮ってます。 大葉れいさん、加子さん、西村湯呑さんの歌が好きでした。 てとて…

イングレス(連作15首)

こっそりと電源入れて覗き込みここは戦場だったと気付く後からは変えられないという二択 選べることは幸せですかこちらでは世界はずっと夜のまま鬼火の色に照らされている進軍の太鼓がずっと鳴っているTPPや原発のため会う人の皆エージェントだと思う夜最寄…

なりそこない(連作・握手の代わりに手を)

君は私を人間だと言う。機械ではないと言う。 私はそれは違うと思っているのだが、君は決して受け入れようとしない。 私は今日も君に会いに行く。 握手の代わりに手を 通勤に支障はないと示すためすり抜けて行く自動改札 液晶をひたすら磨く帰り道消えない影…

うたらば・ブログパーツ短歌

泣きかたも泣き終えかたもわからない私の中に水だけがある (テーマ:終)

紅白短歌合戦(共同連作・べらぼうな旅)

どこまでもいけないのだね水槽に沈んだような車両は揺れて このひかりはきみの見ていたものですか これはビルです あれは、虹です あんまりはやく過ぎてゆくから散らかったルームそのままべらぼうな旅 ゆさゆさと笑う花篭遠くまで届け、届けと腕を振ったよ …

サルベージ・遠くを見やるのは真昼

あ。わたしの中の水位が上がりだし波際白くあわ立っている。 夏の灯はみな脈をもちここからは素足で触れてゆくアスファルト この夏も過ぎてゆくものだと思う光る窓辺の影ばかり見る 夕暮れに塗り潰されていく私 君から見れば影なんだろう 誰も誰も悪い人など…

サルベージ・全ての語彙を

遠い日の花火のようなものをただ見送っている いくつも見たよ。階段を下る足音響くたび節電灯は夢から覚めて夏の花みな誇らかに歌いだしそんなことにも傷付いている わたくしはわるい人間なのだろうなんでも文字に変えてしまって いつもある私の中の凪いだ水…

サルベージ・穴

ここに穴が、穴があるよという声がするので今日もちゃんと目覚める性別を示す数字の間にも小数点以下はあるだろう朗らかに君は正論告げるけどつよいとこわいの漢字はおなじおすわりの姿勢で空を見上げればふたりきりにも似ている青だうつくしいゆうやけのこ…

サルベージ・朝を探す

街中を彷徨うルンバの真似をして頭をぶつけながら逃げ出す何もかも光ってしまう窓辺では幸福ばかり目に付くのですほんとうは先も見えないままの笑みドアの向こうは乾いているね生き延びた者だけがいるこの星に足跡のつく重さで歩く 海は凪小さな舟は虹を産む…

サルベージ・音楽

1. また過ぎる夏に名前をつけてやるトンボの翅をむしったようにこの町の明かりと君をさらってく山賊となる晦日(みそか)、25時 看板と水銀灯で弧を描く君はここからスピカの位置だ 花として春の歌など歌うより君を汚せる泥になりたいまだ会えぬ君と一緒に僕…

サルベージ・そのあとのこと

音は皆部屋の外から響くのでここでは全て昔の話 着膨れた背を陽に当てて語り合う後の始末のそのあとのこと私達壊れていくね音もなく塩の柱の吹かれるように過ぎた日はちぎられ消える新しい日に細長く影を落として神様は探しちゃだめよ地下道をやって来るのは…

サルベージ・嵐の後

放られて折られし枝のやうな腕じつと見ている 嵐は過ぎた 濡れたもの全て乾いて明け方の薙ぎ倒された森ただ静か 越えて行く鳥、馬、魚、花の種 国境だけが何処へも行けぬ真っ黒に染められてゆく人間を見送る桜風に膨らむ 外は雨。濡れる桜を過ぎ行けば窓の水…

サルベージ・花見山公園

「鉄塔の方へ向かってT字路を二回曲がれば花見山だよ」縮尺は狂い始める空の下広すぎる道をひとり歩けば 林檎の木何も持たない白い手は渡す形のままで左右にゆさゆさと笑う花篭 遠くまで届け、届けと腕を振ったよ白、黄、白、白、白、黄、白 花の色数えて坂…

サルベージ・京都

誘い込む手付きを真似て五色幕揺らし生き物となる本殿 涅槃そば400円を啜る時屏風の上の忘の字黒し 紫の袈裟を纏いし僧侶らの姿を見れば皆手を合わす咲くという予感の全て雲となり霞み始める桜林は見上げればそこだけ白い月があり空いちめんのはないちもんめ

サルベージ・やさしい場所

開花した夜の灯火は金色の花粉を落とす人の頭に 吸い込んだ梅の香りが膨らんで冬から春へ結露が降りる信号の変わる瞬間走りだす笑ってしまうくらいに春だ へその緒を切ってやさしい場所を出る泣きだすような深呼吸して

(無題)

震災忌rt(リツイート)のたびからからと見えぬマニ車が指先で鳴る

サルベージ・甘い水

甘く水染め上げて花は一斉にガラス窓へと放ち始めた 薄まった水が身体を膨らませ昨夜の夢が目蓋を開く 内側でさざめく水の名を知らず追いかけている本の背表紙 手箒で君の遺跡を掃除する同じ地上に生きていたこと

(無題)

あたたかいものはこぼれる(それでよい)てのひらの中こだまが響く + 東京ステーションギャラリー ・東京駅復元工事完成記念展「始発電車を待ちながら」に。ちなみに二回行きました。 参考:http://www.ejrcf.or.jp/gallery/pdf/120906.pdf#zoom=100