手を引かれながら俯き行きました目隠しをして 幸福でした
全身を望遠鏡に変えていく遠い星だけ見ることにする
足遅い片割れのため席取りし老人すっくと盾のごとくに
びっこ引きながら咽喉行く祖母に歩調揃えて相槌を打つ
手の中に一枚残ったカード引く誰もいなくてひとりばばぬき
仕上がったものの一つも無いままにがやがやと鳴り過ぎる週末
のぞき込む空に地球のもう片方あるいは希望を今日も探す
スイートピー吸い上げる水ひとしずく 爪にひとひらはるのはなびら
さん、はい! で新しい芽の吹くような一発逆転だけが欲しくて
土の下に隠れてなんかいないから震えてるんだ春色ストール
「※ただし被災三県除く」と記載ありいつもの場所に小さな文字で