つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

サルベージ・金曜日

まだ歩く理由をひとつ、ふたつみっつ水銀灯の数を数えよ

街路樹の途切れたアーチ、その続きひとり描けば空もくぐれる

赤い舌だらりと垂らしその奥を見せつけながら花は枯れゆく

生まれてしまったし生きてしまったしまったしまったなにもない日々

もう決して会わない人の名ばかりを打ち込んでまた窓から放つ

わたしたちお揃いだよね隠してるありやなしやの真白い尻尾

夏祭の音が響いて金曜日風船揺れる「原発反対」