つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

夕焼け

掌をどれだけ集めて勝てるだろう巨悪とやらにじっと手を見る

白桃を剥けば蝕む黒い種生まれた時はなかったろうに

祈りとは元は怒りであったのだ怒号流れて風風揺れる

ひとりだけ生き延びたような夕焼けがまだ続くので走って帰る 

通り雨濡れだす君の髪の毛がひとまわり濃くなれば蝉声

わたしこそ被害者であるという声は雨になったらきっと黒いの

この星の反対側は昼間だと分かってしまう夜は短い



見たこともない夢だとか未来とか調教された通り歌うよ

右上の×の飛び石踏みながらマウスが告げる君は一匹