まづ茶器は温めるべしと言ふ君の言葉はほのか兄めきてをり
妖精について語れる目の先を子犬とともにひたすらに追ふ
冬薔薇滲む夕暮れあたたかく君の手ばかり読み返すなり
適切な訳語がつひに見つからず愛とも恋とも言へずにしまふ
息を詰め伸びる背のみを対とする森は夜更けに軋み始める
泣くことのできぬ子どもが二人をり水の化石を探す海岸
幾光年離れし星の手を繋ぐ冬の星座の、あれは錯覚
×××(キスキスキス)署名を持たぬ口吻を掌で受く我は友人
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試みに。