つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

サルベージ・そのあとのこと

音は皆部屋の外から響くのでここでは全て昔の話

着膨れた背を陽に当てて語り合う後の始末のそのあとのこと

私達壊れていくね音もなく塩の柱の吹かれるように

過ぎた日はちぎられ消える新しい日に細長く影を落として

神様は探しちゃだめよ地下道をやって来るのは(いないの?) 光

遠くまで来てもスタバのオレンジの灯りの下で癒されている

何にでも効く薬だという顔で説かれる恋を頷きて聞く

囁きは全て君へのものだった飛べぬ翼が羽ばたくように

痛覚を無くせば体浮き上がり私の空が遠ざかりだす

アラビアのランプ・シェードの下異化を待ちつつ語る介護の話

金色のシャボンも君も割れぬよう呼吸を止める我はドジソン

毛糸玉風にほどける朝はまだ寒い、寒いとみんなで跳ねる

「過ぎた日を〜」と「金色の〜」はtwitter短歌新人戦の投稿作でした。批評、有難うございました。