つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

サルベージ・音楽

1.
また過ぎる夏に名前をつけてやるトンボの翅をむしったように

この町の明かりと君をさらってく山賊となる晦日(みそか)、25時

看板と水銀灯で弧を描く君はここからスピカの位置だ

花として春の歌など歌うより君を汚せる泥になりたい

まだ会えぬ君と一緒に僕はただ老けるんだろう恋する凡人

揺れている楓に腕を振り返し終えられずいるカーテンコール

空想の友達とだけ踊ってたチェリー・ブロッサムぼくも消えたい

足跡に咲く花を信じ歩き出せクローバー決して振り返るなよ

約束じゃなくて夢だったんだろう目蓋落として正夢を呼ぶ



2.
それもまた糧になるよという嘘が遊園市街の僕らを照らす

「再生」のボタンできみは笑うから(くろっくろっくわーくす)きらい  

草潰し走るよリトル・エスケープ僕ら以外の全てを殺す

手放した君の不在は白いので上がり続ける世界の明度

君とだけ繋がった耳から眩暈電話のベルに埋もれて眠る

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twitterで、バンド・スピッツの曲名或いはアルバム名を読み込んで歌うというイベントが会ったので参加してみました。全て曲名を読み込んでいます。一部修正。
タイトルは順に以下の通り。
 名前をつけてやる
 みそか
 スピカ
 春の歌
 恋する凡人
 楓
 チェリー
 歩き出せ、クローバー
 正夢

二つ目はそこからの派生で、vocaloidの曲タイトルを読み込んだもの。
なお「手放した〜」のみ、タイトルを読み込んでいません。「lambency」という曲のイメージでした。
タイトルは以下の通り。
 遊園市街
 clock rock works
 リトル・エスケープ
(Lambency)
 眩暈電話