つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

年越しバトン2018

「痛覚」でやっている年越しバトン。毎年参加させて頂いております。
昨年に引き続き、今年も少し早めに書いてしまおうと思います。
 

 

 


・2018年のこの一冊! という本を教えて下さい。(2018年発行でなくとも構いません。コミック可)

わたしがいどんだ戦い 1939年」(キンバリー・ブルベイカー・ブラッドリー

 

冒頭こそ主人公の内面描写に癖を感じたけれど、主人公が自分は幸せになれない、なっちゃいけないのだと思っている人物なのだと明らかになっていく、そしてそこから救われ、自ら立とうとする後半がとてもよかった。いいYA小説だなと思います。あと、イギリスのWW2描写ってこういう感じか、というのも新鮮でした(映画「ダンケルク」のネタがちらっとかかわってきます)。Ntflixの「Bletchley Circle」もですが、ある種の成功体験として描かれるのだなあと。
(余談ですがハリー・ポッターは児童文学、ファンタジー小説というよりはYA小説という方が個人的にはしっくりきます)

なおこの本と同時に買ったのが「あのころ、天皇は神だった」(ジュリー・オオツカ)。去年この項に挙げていた「屋根裏の仏さま」の最初の作品が再翻訳されたとtwitterで見たときには本当にうれしかったです。

 
・2018年のこの一曲! という曲を教えて下さい。(2018年リリースでなくとも構いません)

 

www.youtube.com


数年前のミュージカル映画グレイテスト・ショーマン』の曲。
後述の理由により久しぶりに歌詞を和訳した曲ですが歌詞だけでなくメロディーの盛り上がりと感情のアップダウンのリンクとか、ミュージカルの手法!感が好きです。
 
・2018年一番注目していた人を教えて下さい。
(名前) 上西充子(法政大学教授)

高度プロフェッショナル制度の審議において厚生労働省が提出した裁量労働制における労働時間データの改ざんについてtwitterで指摘、その後国会審議における論点ずらしについて「ご飯論法」と名付け、現在は国会パブリックビューイングの活動も行っています。

この方の活動が面白いなと思うのはお名前が広く知られるようになった労働時間データの改ざんこそ数字、データの問題でしたが、それ以降の活動は言葉、コミュニケーションの問題にシフトしていて、そのふたつを繋がったもの、同根の問題として捉えている気がすることです。一般的にはこの方の「ご飯論法」という言葉や国会パブリックビューイングの活動が有名かと思いますが、個人的には同じくこの方の考案した、「呪いの言葉」「詐術の言葉」「呪いの言葉の解き方」というハッシュタグが面白いなと思っています。

「呪いの言葉」とは相手を委縮させ思考の枠組みを縛る言葉、「詐術の言葉」とはご飯論法のような、相手をだまくらかす言葉で、政治家はこうした言葉・手法を使うことで物事の詳細を国民に明らかにしないまま、自分たちの有利に進めようとしている、というのがこの方の主張だと私は理解しています。この指摘も面白いんですが、ではこの呪いの言葉を見つけた時に具体的にどう反論すればよいか、SNS上で「呪いの言葉の解き方」を募集するという流れが個人的には印象的でした。SNSというテキストベースの場ならではの手法と思いますが、おかしいところを頭ごなしに指摘し否定するのとは別のアプローチだと思います。

震災以降……というよりtwitterという場ができたことで、研究者の政治に対する発言は従来より多くの人に読まれるようになったと思いますし、データの改ざんについても国会や政治家の”言葉の劣化”について指摘する研究者は多いと思いますが、両方に、こうした草の根的な形でアプローチをする方は多くない気がします。

 

なお、去年は前川前文部科学省次官でした。

 

・2018年の重大ニュースを3つ選んでください。
 1医大全般における入試の女性差別
 2入管法等の強行採決
 3共有結晶vol.4発行


・2018年の流行語を勝手に選んでみてください

 理解しかねます。

 

 友人の書いたメール冒頭第一文より。そういうこともある。

 次点で浮かんだのは「生産性」(杉田水脈氏による新潮社雑誌掲載文より)だったのですが、正直これを流行語とは呼びたくないです。

 

・2018年の漢字を一字選んでください。

「破」

 ちなみに去年は「暴」、おととしは「別」としていました。


・あなたが2018年一番嬉しかったことは何ですか?

 都をどり短歌賞をもらったこと。久しぶりに音楽に触れられたこと。
 去年は銀河鉄道SLに乗ったりしてました。楽しかったなあ。


・あなたが2018年一番悲しかったことは何ですか?

 

 東京医科大の差別入試を発端とする医大全般における入試の女性差別
 
 各地の(本当に各地での!)災害や強行採決、個人的に嫌だったこと、悲しかったことはいろいろありましたがニュースを見聞きして「ダメージを受けた」のは初めての体験だったので。
 悲しみのあまり歌詞の翻訳をしたりしていました。

 悲しかったというより、じわじわとダメージの来る何か嫌なもの、という体験が多かった気もします。
 


・あなたが2018年ハマったもの(こと)を教えてください。

 

 音楽。youtubeで色々聞いたりしています。
 少年漫画。漫画は読んでいても少年漫画系ってあまり読んでいなかったのですが、twitterがきっかけで読んだ「ワールド・トリガー」と「呪術廻戦」が面白かったです。なんとなくですが、どちらも震災以降の少年漫画だな、という気がします。

 ドラマ「アンナチュラル」はとても久しぶりに追いかけたテレビドラマでした。

  

・あなたにとって2018年はどんな年でしたか?
 
 女、女、女!

 

 昨年末から始まった#metooタグ、歌壇賞受賞作の短歌連作「Lilith」(川野芽生)、
 映画『オーシャンズ8』、医大受験の件、共有結晶編集部の基地設置とvol.4発行、などなど。昨年の予想通り、あらゆる面でフェミニズムが出てきたな、という年でした。
 隠蔽されず表に出てきたのは良いこと、ではあるのですが。

 個人的には新しいものとたくさん出会った年でもありました。
 去年がいろいろなものが「終わりになった」年で、これから新しいものをたくさん取り込むぞーと思ったのでそれは実現できたのかなと思います。
 去年の自分が”(たぶん)自由になった年。そうであればいいと思います。”と書いていましたが、それはその通りだよ、といえるかなと。
 実際、来年の目標として書いたことはかなり実現したような。
  
・2018年にやり残してしまったなあということはありますか?
 
 本棚はじめ家具を買いませんでした……。

 

・2018年の目標を教えてください。


 PC診断とか見た目のブラッシュアップと体力づくり。

 メイクと服を派手にします。

 いろいろと世に出る。

 

・2019年のヒットアイテムを予想してください!(グッズ、流行語、タレント、ファッション等)

 

 暴動。

 そろそろ流行っていいと思う。
 オリンピック関係のものが流行るのかどうかは微妙だなーと思ってます。クドカン大河ドラマは話題になりそうですが、明治関係のものがそんなに流行らなかったので。