砂漠の雪
いえそれはあなたの美しい砂漠だって余白は言葉ではない
歳時記はついに晩冬へと至り特急列車を見送るホーム
二―メラ―の警告をみな口にする泡立ちながらジャムは煮詰まる
輪郭が滲んでしまう青空は目を傷ませる光の反射
ジェイコブズ・ラダー 地上は寒いからどんな言葉も手垢まみれだ
繋がれて生きるしかない生き物の怒り、いかづち、釣り針は金
それぞれの記憶の雪の重たさは異なったまま歌会終わる
*
それはまだニンゲンですか千年後名もない星をつなげる右手
(下の句共通の付け句企画)
昨年末から配布されていた山羊座生まれの短歌ネプリ「角笛4」掲載作でした。
主催の知己凜さん、ありがとうございました。