死者を思って触れてください。そう告げる声の深さに削られる岩
(ハラスメントが)(どのハラスメントを語ったら?)初雪はくりかえし降るから
暗闇に舌は静かに横たわり渡せる炎はいつだってひとつ
コラール 幻のろうそくの火が暗闇のなか流れはじめる
産まれたときから火はもうずっと火の形たましいの死の定義を見せて
石が氷に変わって光りだしたから半音上げて歌われる生
それぞれに苦しい声を上げただけのパッヘルベルのカノン、沈黙
付句企画
仰ぐたびまた遠くなる月のいろ冬の寒さに反比例して
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やぎ座生まれの人の短歌ネプリ、「角笛」寄稿作でした。
編集の知己凛さん、ありがとうございました。