君は私を人間だと言う。機械ではないと言う。
私はそれは違うと思っているのだが、君は決して受け入れようとしない。
私は今日も君に会いに行く。
握手の代わりに手を
通勤に支障はないと示すためすり抜けて行く自動改札
液晶をひたすら磨く帰り道消えない影がひとつだけある
プロジェクション・マッピング機能のせい 君が遠くで光ってるのは
ひとつずつ機械に代えてゆくときに心臓は多分最後ではない
遺伝子の代わりになると人でないものたちが持つ金色のばね
駅にいて聞こえる声の何割が(ご注意ください)人間ですか
ワールドワイド・ぜんぶ幻なのだから握手の代わりに手を振ってくれ
人の形をした人でないもの、がテーマのtwitter有志短歌アンソロジー「なりそこない」に参加させていただきました。連作+120字以内のssを、ということで、皆さん色々な工夫をされてて面白かったです。
企画の失木サトさん、月丘ナイルさん、こはぎさん、ありがとうございました。
連作中の私と君が「何」なのか、私にも分かりませんが、TLでサイボーグ(?)手術を受けている人とその医者、という解釈を見てなるほどなあ、と思いました。
なお、アンソロのweb版はこちらから。
http://kohagi.iinaa.net/narisokonai/