つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

夜の森(poecrival2)

 

木の燃える夢を見たからあなたへの言葉はみんな通じないだろう

濡れてゆくみどりよみどり石鹸が泡立つように泣く人だった

ライナスの毛布みたいな朝焼けの沈黙 挽歌を信じそうだよ

指の爪ひとつひとつが鳥であり飛べと命じて色づけている

開けたってからっぽである快楽の梔子香る十三夜月

わたしからわたしはずっと逃げられない夜の森 めくらめっぽう歩く

 

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詩歌誌SNSpoecri」の短歌と俳句の公募企画に出した作品でした。短歌は7首まで投稿可能(連作である必要はない、と後で気が付きました)となっていたので6首出しています。

短歌の審査員は服部真里子さんと堀田季何さん。投稿作品から二人がそれぞれ10首を選ぶという形式でしたがお二人とも10首以外でよいと思ったもの(なんでしょうか。堀田さんは「予選通過作」として50首ほど、服部さんは「拾遺集」として30首ほど)を上げて頂いてます。俳句の方はこういうのはなかったので(おひとりは全句見てらっしゃったんでしょうか)、おふたりとも優しいなあとちょっとびっくりでした。

結果としては「濡れてゆくみどりよみどり~」が服部さんの10首選に、堀田さんの予選通過作になってます。他、「指の爪~」「わたしからわたしは~」が堀田さんの予選通過作に、「ライナスの~」「開けたって~」が服部さんの「拾遺集」に拾っていただいています。

なかなか見事に選が割れつつ、ということはつまり評価観点が相当違うであろうお二人にそれぞれ複数拾っていただけたのは色々ほっとする思いでした。ぶっちゃけミーハー精神だけで投稿したようなものですが、ありがとうございます。

 

なお全体の投稿結果は上記サイトにメンバー登録すれば閲覧可能です。