フリスクの味する風を舐めながら地下鉄はまたトンネルくぐる
そんな弱いノックじゃ誰も気付かない頬を打たれる春なら遠い
君の目に浮かぶ水滴見つけてもまだ確信を持てないでいる
声高に残業時間誇りつつ我らのカポーは薄い汁飲む
伝言は背中に書いておきますね貴方にだけは読めないように
ト書きにはないことばかり起きているこの劇からは退場出来ぬ
過労死の多い炭鉱であるほど小鳥の声は澄むという嘘
そっくりな傷をつけては泣いていたあのひとはもう癒えただろうか
真っ直ぐな光と息を吸い込んで冬の寒さを耐えようとする
螺子一本無くした身体起こすためつっかい棒の光ひと筋