つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

2020-01-01から1年間の記事一覧

作品置き場を作りました

表題通りです。なお、サイト名はこちらとほぼ同じです。 つきのこども https://mondenkidandsprayofthedays.blogspot.com/ 現時点ではこのblogに掲載されたものを再掲しています。

年越しバトン2020

「痛覚」でやっている年越しバトン。毎年参加させて頂いております。昨年に引き続き、今年も少し早めに書いてしまおうと思います。

橋を渡る【アンソロジー寄稿・web再録】

短歌連作 橋を渡る(ZABADAK「五つの橋」に) 2016年5月頒布開始同人誌「There's a vison - A Tribute to ZABADAK-」(冬青・編)寄稿(ライナーノーツ) (一部旧かな遣いの誤りを修正。なお私家版歌集『ヴァーチャル・リアリティー・ボックス』には同連作…

草の心臓(第三十回歌壇賞佳作・再録)

第三十回歌壇賞に出した短歌連作「草の心臓」(30首)の再録です。 当該連作は『歌壇』2019年2月号に全首掲載されました。 連作はアイルランドの民謡などをモチーフにしているのですが、この度、当該連作について、日本アイルランド協会会報第106号の佐藤亨…

短歌解凍掌編(再録4)

いつかあなたは、たったひとりで死ぬだろう。 直立不動でマフラーを巻かれるのを待つあなたは、まるで一本の針葉樹のよう。両腕を回して抱きしめれば、体温に交じって木の葉の匂いがするかもしれない。今はまだ温かい身体。年を取るに連れ衰え、いつかしんと…

たったひとりのパラレルワールド、あるいは音楽の効用について(鏡の箱に手を入れる5・再録)

たったひとりのパラレルワールド、あるいは音楽の効用について (初出・webサイト片隅 2016/01/22掲載) ※掲載時期と合わせるため、blogの再録順は当初とは異なっています。

読書の夏、あるいは新宿紀伊国屋書店の医学事典について(鏡の箱に手を入れる4・再録)

読書の夏、あるいは新宿紀伊国屋書店の医学事典について (初出・webサイト片隅 2016/08/24掲載。一部加筆修正) ※掲載時期と合わせるため、blogの再録順は当初とは異なっています。

交換日記を始めました

平田有さんとnoteでの交換日記「よなよむ」を開始しました。よろしくお願いします。 https://note.com/yonayomu

短歌解凍掌編(再録3)

焼き場からは海が見えた。

短歌解凍掌編(再録2)

後世に残るもっとも確実な媒体とは電子データでもなければ紙でもなく、石板に彫られた文字なのではないか。そんなよた話を、昔どこかで聞いた覚えがある。花崗岩や大理石で作られる墓碑は、しかし決して永遠の存在ではない。大理石は酸性を帯びた水に溶けや…

短歌解凍掌編(再録1)

今日、きみの星がずっと前に燃えていたことを知りました。

街の神話(うたつかい34)

新年の道路はいつもより広くわたしは角を落としたようだ ひとの子も狼の子もあてどない顔をしている夜の閑散 干からびた冬のまなこの瞬けば千光年の残業ひかる エンターキー押されたままで伸びてゆく白い改行 春が来ていた あ、と息吸うとき喉の奥にある南京…

こともなし(うたつかい33号)

わたくしを地上へ落とす風が吹くこの世はこともなし こともなし どの窓も古い映画のようになる列車は橋を渡り続ける 抑えられ少しふるえた掌はちいさな昼の蝙蝠の羽根 おろかものばかりではない僕たちだ青を仰げばどこまでも青 夜。(海を漂うラッコたちのた…

月刊うたらば1月号

一斉に手を上げなさいきらきらとスノードームに明るい吹雪 テーマは雪でした。ありがとうございます。 うたらば|短歌×写真のフリーペーパー

氷について

バルコンの手摺も冷ゆる夕暮れの森をあんまり見ては駄目だよ まうずつと広がつてゐるのは曇天。窓は翼の形に開く わたしさへ黙つてゐれば破れないうつくしい肖像画いちまい パントマイム伝はらぬまま更くる夜の子守唄つてみんな寂しゑ 怒りだと気付けばさび…

カノン(角笛5)

死者を思って触れてください。そう告げる声の深さに削られる岩 (ハラスメントが)(どのハラスメントを語ったら?)初雪はくりかえし降るから 暗闇に舌は静かに横たわり渡せる炎はいつだってひとつ コラール 幻のろうそくの火が暗闇のなか流れはじめる 産ま…