2018-01-01から1年間の記事一覧
「痛覚」でやっている年越しバトン。毎年参加させて頂いております。昨年に引き続き、今年も少し早めに書いてしまおうと思います。
タイトル通りです。当日の参加作品などは以下の通りです。
※この記事は角川短歌2018年11月号掲載の短歌連作及び第64回角川短歌賞選考座談会の内容を一部引用しています。
手を繋ぐことが唯一の抵抗と言われてしまいほどけずにいる 傘いっぽんで人を殺していく映画このひとさし指は人を消せるよ 見せ消ちのサイレン高く高く鳴り空の硬度は増してゆくのだ たなごころ空に広げる受容とはつまり欲望だろう、あなたの 行政を侍女と呼…
オーケストラ短歌ネプリの寄稿作品です。 オーケストラの交響曲(ドヴォルザークの七番)の特定の楽器パートを担当、楽器奏者として歌を詠む、という企画です。ありそうでなかなかない企画だったので参加してみました。 なお完成したネプリには記載されてな…
こんなにも足は震えるわたくしはとっくの昔に産まれてるのに 東直子欄選でした。ありがとうございます。
でも眠る。両の耳から流れ込む涼しい夜はそのままにして 東直子欄・選でした。ありがとうございます。
はばたきよ顔を上げたら吸い込んだすべての息を吐ききりなさい 野口あや子選、佳作でした。ありがとうございます。
ながいながい伝言ゲーム明け方のわたしがわたしと手を繋ぐまで 東直子欄選でした。ありがとうございます。
Twitterで「#なんて明るいさよならだろう」という付け句タグが流行っていたので。 30首連作です。
海なんて知らない僕の手のひらでいま燃えあがる貝の火の色 東直子欄選でした。ありがとうございます。
その器は欠けている 海へ降る雨を日永に眺めれば火は一人称を知らないままで テーブルのペットボトルの紙コップななめのままに了承される 開かれて床に散らばるとりどりの そうかおまえもhydrangea 国会質疑書き起こしメモ読む昼休み台風の目は馬の目のよう…
断面に盛り上がりだす水滴のわずかに纏う刃物の匂い 東直子欄特選でした。ありがとうございます。 東京新聞:東京歌壇 東京俳壇(TOKYO Web)
ひとつだけ ひとつだけ、とねだった花にみえるから燃やしていない線香花火 トリ、メダカ、ロボット、サクラ、ライカ、ベルカ 名づけるほどにさみしくなった 色彩で話せるならばいまはもう菫色、の、濃淡ばかり ベランダに火薬の匂い残るころ燃えさしとして眠…
飲み干したカップ下ろせば鳴る音の星座をつくるようにさみしい 東直子欄選でした。ありがとうございます。
あ、梅が、もう咲いてるよと言うために俯けば液晶にはなびらの降る 東直子欄選でした。ありがとうございます。
にんげんのうるさい身体もてあます目も肩も手も勝手に動く 血液に滋養を与へ、精神を補ふといふしよこらあととは たましひを補ふ菓子のあるならば奪はれることも これが心臓 美しくあれ鋭くあれと人に望まれし我等の如き西洋の薔薇 Update failed due to dat…
いつたい何をされてゐたのか分からねど誰にも言へず林檎を食めり バックラッシュ、フラッシュバックとふ言葉見ればしきりに飛沫のかかる
青空の真下にひとり立つそんな作中主体に前にも会った 東直子欄・選でした。ありがとうございました。
長時間露光のなかに咲きいづるだらりの帯の金糸の刺繍 京都造形芸術大学文芸表現学科・上終歌会主催による「都をどり短歌賞」の題二つ「都をどり」「春」のうち、「都をどり」で大賞でした。ありがとうございました。 受賞作品は「都をどり」開催期間中のウ…
Twitterの#魔女集会で会いましょう、あるいは#魔女歌会タグに。
リップ・ヴァン・ウィンクル もう二度と会わない知らないひとだから心置きなく手を振っていた それぞれの記憶の海の色合いをことばの中で混ぜ合わせては ポケットをひっくりかえすたぶんもう切符はとうに配られていた 習い覚えた異国の言葉になじめずになじ…
ワンダフルライフ ストーブのまるい薬缶に手をかざすやがて頬まで結露が降りる 思い出はみな嘘だから幸福だ。薔薇のカップへ紅茶を注ぐ 真夜中の林檎の赤が透けてゆくわたしたち火をちゃんと使った でもあれは紙なんだってと月を指しきれいだねってそれでも…
それぞれに神話を語り火を灯す OK,Google、創世記から ルンバにも進化はあって水掻きの名残のような地雷の記憶 あなたにはあなたの心拍数がありあなたの時間がある 手を握る
夕立のあとの地面のにおいだよ裸足のようにあかるい空だ 東直子選でした。ありがとうございます。