2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧
傍にいるだけなら猿にもできるだろう私はいつも許される役 (テーマ:優)
されば若夏 放つておいても枇杷みのりひとの往き来のしづかさの外 / 今野寿美 種はどんな種でも種だから、埋めたら必ず芽が出るとわたしは言ったのだけれど、 あの子たちは一人としてそれを信じなかった。 煉瓦色の鉢は花壇で見つけた。団地共有の花壇は手…
あ。わたしの中の水位が上がりだし波際白くあわ立っている。 夏の灯はみな脈をもちここからは素足で触れてゆくアスファルト この夏も過ぎてゆくものだと思う光る窓辺の影ばかり見る 夕暮れに塗り潰されていく私 君から見れば影なんだろう 誰も誰も悪い人など…
がっこんと滝の速さで落ちるのでしゃがんで掬うアルプスの水
夕映えに揺れる手のひら繋がれてのぼりだしたら訪れる夜
眩しいと思った夏の影は長い人と人との谷間も暮れる
息をまた大きく吐いて喋るたび君は泡、泡、泡の向こうへ
窓ガラス一面を切り刻む雨無防備なまま君は傷つく 6/21〜25開催。テーマは雨でした。ありがとうございました。http://nick.dtiblog.com/?i&no=44http://togetter.com/li/522129
我が愛すものの一部と思へども見たことはなし日本てふ国
慣性の法則によりいつまでもわたしは君に傷付かないの
(おれ以外だれも傷つくなよ)若い緑は光る、きらきら光る
だいじょうぶ、怖くはないよ。カステラの黄色をあげる、たくさんあげる
夏の花みな誇らかに歌いだしそんなことにも傷付いている
銃口を突きつけられた顔をして間違うことを許せない君
ドゥーユーノウ? これがペンだと言うような君の言葉だ(イエス、アイノウ)
悔恨と呼び得るものは何も無く夕暮れが来て影は濃くなる
玉葱の芯に似た冷たさで立つ我らの中の少年少女
あれは星? 触れた指先痛いほど冷やして消えた(あれは、後悔)
おすわりの姿勢で空を見上げればわたしと空のもうふたりだけ