つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

新鋭短歌シリーズ出版記念会プレゼント企画

新雪と呼ばれる前に消えてゆくすべてのために冬の灯はある(テーマ・新)岸原さや・賞でした。 選評、と呼ばれるものを頂いたのは初めてでした。ありがとうございます。 その他佳作として加藤治郎先生、天道なおさん、田中ましろさんに上げていただきました。…

うたらば・ブログパーツ短歌

笑い声ばかり聞こえて目を伏せる死期を悟った獣のように (テーマ:目)

第十四回ときどき歌会

でも君は忘れただろう月面に今もそのまま残る靴跡 テーマは月でした。ありがとうございました。 http://nick.webspace.ne.jp/blog/http://togetter.com/li/588993

完走報告(円)

二年目の題詠マラソンもどうにか終わりました。主催者様ありがとうございます。 一年目はとにかく完走することに意義がある(はず)いうスタンスだったので今年はもう少し進歩したスタンスでと思ったのですが、結果的には今年も完走で精一杯、でした。 オンオ…

100:止(円)

心臓が止まる時にはささやかなこんな呪文も全部、おしまい。

099:文(円)

部屋の明かりをひとつひとつと消しながらわたしのために唱える呪文

098:濁(円)

(濁流がもう来ています)冬鳥のそれぞれが抱くまっすぐな針

097:証(円)

生きてきた時間が嘘でないことの証明としてまだ生きている

096:季節(円)

紅葉に染まる窓枠室内は季節を問わず暖かな日々

095:例(円)

これはみんな例え話でぼくたちは多分さみしいって言いたい

094:衆(円)

群衆の「ん」と「し」の間に紛れつつ騙されている自覚はあった

093:ドア(円)

ドアノブを何度も回し前へ行く辿り着けない夏だけがある

092:局(円)

夜明け時窓の向こうにほの見える色彩、そして光る終局

091:鯨(円)

遺されたボーカロイドの声だけが鯨を呼んで訪れる朝

090:唯(円)

そうこれはぼくの鳴らせる唯一の音ですきみへ送る音です

089:出口(円)

入口も出口もない丸い星であなたをずっと探しています

088:弱

生き物は弱い場所から痛みだす手負いの獣に黒いコートを

087:餅(円)

餅花にしなる枯れ枝揺らすごときみは何度も白い息吐く

086:ぼんやり(円)

安楽椅子にぼくら座っているんだろうぼんやりとしたものに襲われ

085:歯(円)

にぎやかな夜の嘲笑光りだしなくした犬歯うずきはじめる

084:左(円)

重心を左に寄せて人を待つまた会うなんてあるのでしょうか

083:霞(円)

ばら色に霞んだ空を見送った地上はいつかいなくなる影

082:柔(円)

遠ざかる、また遠ざかる。誰の手も柔らかな熱を持たないゆえに

081:自分(円)

前進を出来ぬ自分を退けて窓を貫く目覚めの光

080:修(円)

冬季鬱近付いてきて明るさは修復された絵の中にある

079:悪(円)

(悪い子だ)ずぶずぶ沈む温もりの底から上を見上げています

078:師(円)

街灯が灯るよ。きみは今ひとり腕ひらめかせ魔術師となる

077:うっすら(円)

うっすらと目蓋に金の粉を刷き異国の夜は瞳を開ける

076:納(円)

納得はできないままに頷けばほろほろと赤い木の実こぼれる

075:良心(円)

いたいいたいとさすり続ける良心のかたちは誰も知らないままで