つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

021:仲(円)再投稿

今日もまたアポトーシスの目を逃れ誰かの仲間と分類される

022:梨(円)

定冠詞ラであることも知らぬまま西洋梨に憧れた日々

サルベージ・花見山公園

「鉄塔の方へ向かってT字路を二回曲がれば花見山だよ」縮尺は狂い始める空の下広すぎる道をひとり歩けば 林檎の木何も持たない白い手は渡す形のままで左右にゆさゆさと笑う花篭 遠くまで届け、届けと腕を振ったよ白、黄、白、白、白、黄、白 花の色数えて坂…

サルベージ・京都

誘い込む手付きを真似て五色幕揺らし生き物となる本殿 涅槃そば400円を啜る時屏風の上の忘の字黒し 紫の袈裟を纏いし僧侶らの姿を見れば皆手を合わす咲くという予感の全て雲となり霞み始める桜林は見上げればそこだけ白い月があり空いちめんのはないちもんめ

サルベージ・やさしい場所

開花した夜の灯火は金色の花粉を落とす人の頭に 吸い込んだ梅の香りが膨らんで冬から春へ結露が降りる信号の変わる瞬間走りだす笑ってしまうくらいに春だ へその緒を切ってやさしい場所を出る泣きだすような深呼吸して

(無題)

震災忌rt(リツイート)のたびからからと見えぬマニ車が指先で鳴る

サルベージ・甘い水

甘く水染め上げて花は一斉にガラス窓へと放ち始めた 薄まった水が身体を膨らませ昨夜の夢が目蓋を開く 内側でさざめく水の名を知らず追いかけている本の背表紙 手箒で君の遺跡を掃除する同じ地上に生きていたこと

020:嘆(円)

感嘆の呟き(tweet)ばかり拡散し私はじっと耳を澄ませる

019:同じ(円)

弟と同じ顔した曾祖父は戦場に子を二人送れり