つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

年越しバトン2023

毎年書いています。
昨年に引き続き、今年も少し早めに書いてしまおうと思います。
 


・2023年のこの一冊! という本を教えて下さい。(2023年発行でなくとも構いません。コミック可)
 
奇貨 / 沙東すず
 
文学フリマ東京で頒布されていた同人誌。通販で購入しました。
自分が傷ついたその記録をおそろしいほど緻密に書いていて、その視線の鋭さにびっくりすると同時になんだか救われました。

次点で「片喰みと黄金」、こちらは漫画です。飢饉で家族を失い、アイルランドから一獲千金を夢見てアメリカへ渡る少女とその従者の冒険譚(けれども搾取の構造と問いは繰り返し、あらゆる形で示される)です。こちらの漫画がご縁でフォロワーさんに論文を紹介していただいたりしました。
 
去年はRikka Zine vol.1 (theme:shipping)、一昨年は「ムーミン谷シリーズ」でした。
 

・2023年のこの一曲! という曲を教えて下さい。(2023年リリースでなくとも構いません)
 
「Full fathom five」
11月に歌う予定だった、戯曲テンペストの劇中歌です。

Nothing of him that doth fade,
But doth suffer a Sea-change 
Into something rich and strange.

知人が他界した時、自分が寝たきりになった時、この歌詞がずっと頭の中を流れていました。何も損なわれてはいない、海の力が変えただけ。次点で「Beati quorum via」、「Gloria(ヘンデル、HWVdeest)」「Failte  don ean」を挙げておきます。

去年はzabadak「五つの橋」でした。仙台ライブで歌いました。

 
・2023年一番注目していた人を教えて下さい。
 
自分、でしょうか。

ちなみに去年も自分で、これまでの棚卸のようなことをしていた一年だったと書いているのですが、いやいや今年の方がよほど……!と思います。


・2023年の重大ニュースを3つ選んでください。
 
 1コロナ罹患(と、その前後の諸々)
 2イスラエルのガザ侵攻
 3JKT問題(ジャニーズ、歌舞伎、宝塚における性加害やパワハラ問題)
 
1位は記載の通りです。後遺症により11月から年明け3月頃まで病気休暇を取得しています。
3位については大きな権威のずっと抱えていた問題が内部告発により指摘され、露わになるという一連の流れが今年を象徴する何かのようだなと思ってみていました。自衛隊の五ノ井さんの裁判も、今日被告の有罪が確定しました。

 
・2023年の流行語を勝手に選んでみてください
 
ハラスメント。

なお去年は「物価」としていました。

 
・2023年の漢字を一字選んでください。

病。

 

なお去年は「休」でした。休職して復職したので。
世の中のニュースについても今年はかなりシャットダウンしていた、と去年書いているのですが、今年はニュースを知るきっかけの一つであるSNSからも大きく距離を取ることになりました。
 そんなわけで去年は「休」、一昨年は「壊」でした。

 
・あなたが2023年一番嬉しかったことは何ですか?

自分に似合う服やバッグを買えたこと。 怒れたこと。

去年はライブや公演に出られたこと、原稿依頼をいただいたこと、ネプリ企画をしたことを書いていました。

 
・あなたが2023年一番悲しかったことは何ですか?
 
5年ほど所属していたアイルランド系合唱グループを辞めたこと。その後コロナに罹患したこと。

えこ贔屓と自己愛が激しいモラハラ気質のグループ主催から仕事を振られた対応した所、やり方が気に食わないと頭ごなしに否定されることが複数回あり、その他いろいろあって最終的に団体の連絡用グループlineで、夏公演の運営の問題点を今後どう改善するつもりか主催に尋ねたところ「傷つく人がいるから」というよくわからない理由でグループlineから締め出されました。その2週間ほど後にコロナに罹患、後遺症によるビタミンd欠乏症、それに伴う慢性疲労症候群態の症状と抑うつを発症しました。
病院にはすぐ行き、慢性疲労症候群態の症状について一月ほどは順調に回復していると思われましたが、もう十分に回復しただろうという油断とこれまでの遅れを取り戻したいという焦り、連休や夏季休暇での活動量の増加、知人の他界、辞めた合唱グループのメンバー含む、特段コロナになっていない人たちの音楽活動の様子がこちらからフォローしていなくてもSNSでリアルタイムで見(せら)れること等で精神状態が悪化、それに伴い体調も一気に悪化しました。

11月上旬に10日ほどほぼ寝たきりの状態まで悪化し、病気休暇に入りました。幸い、12月現在は家事手伝いとして生活できる程度には回復しています。

おそらく合唱グループの主催は共通の認識を前提にした他者との対話ができない人で、その意味では振られた仕事を真面目にこなそうとしていた渦中はまだしも、グループlineから締め出されたことも、主催の個人アカウントから私個人宛に送られたメッセージについても、個人攻撃という意味ではあまりダメージは受けなかった、つもりです。
それよりはむしろ、リアルタイムで主催と私のやり取りを見聞きしているはずの他のメンバーから「あの人はそういう人だから仕方ない」「何を言ったって変わらない」「自分はもっとひどい目にあったこともある」「あんな主催のことは陰で笑い飛ばしてやり過ごせばいい」といった趣旨のことばかり聞かされたこと、あるいは何の反応もなかったことで、現状に真剣に腹を立てたり傷ついたりしている自分の感覚の方がおかしいのだろうかと混乱させられたことに、団体を辞めた後もダメージを受け続けていた気がします。

恐らく多くのメンバーにとってわたしが主催に意見したことは、(どうせ何を言っても変わらない)主催にいきなりキレ出すという不可解な、あるいは野次馬として見る分には興味深い愚かな行為で、その結果わたしがグループから締め出されたことも自己責任の自業自得、だから自分たちにはどうしようもなかったのだと認識されているのではないかなと想像しています。
恐らくあの団体の誰もが、自分を人格者と信じている主催を遠巻きにしていて、だから主催にひいき等されて火の粉を浴びることがない、たまたま浴びていない、あるいは浴びても気付かない、浴びても対応できると自負している人だけがいつまでも団体に所属し続けることができる。良くも悪くも「政治」は発生しえない場だったのだと思います。
たまたま火の粉を浴びた私は馬鹿正直に正面突破して撃破されました。でも私も、火の粉を浴びていた他の人に気付かなかったのも事実です。

とはいえ主催に意見したことは、少なくとも私にとっては意味のあることでした。創作表現について他人の解釈を頭ごなしに否定したり初心者を侮る行為を許してはいけないと十年来、別の場所で戦い続けていた私にとっては。今までそうした人が誰もいなかったのなら、もっとなおさら。

締め出される数か月前から主催と練習すると体調が悪くなるような状態になっていたので、遅かれ早かれわたしは団体からフェードアウトしていたと思います。
けれど、ここは自分には合わない場所だからとハワイから去る白熊だって、去ることに何の痛みも感じないわけではありません。何処にでもよくある話でしょうが(実際私も今回と似たような経験を過去にしたことはありますし、その際年単位で引きずったので、今回も同様の経過を辿る覚悟はしていました)、お前はハワイに行けば楽になるんだから行けばいいじゃないか、大したことじゃないと軽く言われるような話でもなかったはずです。

 

上記の通りわたしは後遺症で9月から精神状態が悪化しやすい状態になっており(ビタミンd欠乏。現在進行形)、もし罹患していなかったらまた別の展開、別の感想になっていたのかもしれません。
他のメンバーから見ればまた違った認識でしょう、もちろん。

私は私がいちばん大事なので、この文章でも私にいちばん都合の良いように諸々の記憶なりを改竄していると思います。
わたしは現実にはコロナに罹患したし、他のメンバーが事態をどう見ていたかの答え合わせをすることもないでしょう。

なお、一時は団体に出戻れないかと血迷ったことを言っていたこともありご心配をおかけしていた気がしますが現在そのようなことはありませんし(血迷った結果、主催にはこちらのLINEアカウントをブロックされているのも確認済)、療養により心身回復しつつあります。

一方で2023年現在、コロナの後遺症に寛解はありますが完治はなく、対処法しか存在しません。
症状が寛解し働いて問題ないと医師から言われたとしても、それはあくまで働くうえでのことであり、休日に今まで通り活動していいという意味にはなりません。
したがって、寝たきりの状態に二度とならないために、わたしは自分の身体をモニタリングし続けることが今後も必要になります。
体力的に楽器や歌がどの程度できるか、12月現在の今は活動を休んでいるので未知数です。

ちなみに去年、一昨年はともに、悲しいというか、疲れていたというかそんな感じと書いていました(世情的な意味と休職的な意味で)。

 

・あなたが2023年ハマったもの(こと)を教えてください。
 
ファッション。 

去年は筋トレ、一昨年はNHK朝ドラを上げていました。今年も朝ドラは面白かったです。

 

・あなたにとって2023年はどんな年でしたか?

所属した場所を失った年、休職(2回目)をした年。
講師が変わりつつも10年弱通っていたカルチャーの教室が終了し、5年近く所属していたアイルランド系合唱のグループについては上記の通りです。別途参加していた企画系の合唱団体も、来年春の公演でいったん終了の予定です。
15年弱使っていたtwitterについても体調不良と合わせ閲覧や発信を減らしています。

短歌の同人誌を作っていたころ、今いる場所をいつ離脱しても平気なように心の中で準備しておこうと常に思っていました。
けれどもコロナ以降痛感したのは、仕事以外の趣味に関係した場で人と会える仕組みがあることがどれだけ自分を救ったかということです。
それが、今年すべてなくなりました。
そのことによって人間関係がすべて消えたわけではありませんが、けれども人に会うためには自分か相手がより動く必要がある状態になったのは確かです。
そのうえで自分がどこにいたいか、は、誰とどれだけ連絡を取りたいかは、今後考えるべきことなのかなと思います。

去年、一昨年も休職のことがあり、変なコンプレックスが無くなった気がする・価値観みたいなものはかなり変わったのではないかと書いていましたが、今年の方が激動だったなと思います。

 
・2023年にやり残してしまったなあということはありますか?

掃除、読書、手放すこと。
アウトプットもまだ足りない気がしています。

なお去年は体脂肪をもうちょっと減らしたかったと書いていましたが、これは達成しました。寝たきりになってもリバウンドしてないのでえらい。

 

・2024年の目標を教えてください。

心身の疲れないペースを見つける。楽しむ。

ここ数年は筋肉をつける、本を読む、フットワークを軽くするあたりをずっと挙げていたのですが
今まで以上に無理できない身体になったので、そのうえで何をどういうペースでやるか考える必要があると思っています。


・2024年のヒットアイテムを予想してください!(グッズ、流行語、タレント、ファッション等)
 
戦前、あるいは体制の崩壊。


去年は代替品と高級品と書いていました。
ところで一揆と暴動とデモはいつ流行るんでしょうか(と、数年前からずっとこの項に書いています)