つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

うたつかい・秋号

革命と水

 

革命のような喧躁遠くなり三四郎池にぽっかりと泡

 

坂を下りる。乾いたからだで降りていくかつては水の流れたところ

 

ひたひたと水は彼方で脈を打ち舗道の影が滲みはじめる

 

わたくしに流れこむ水(忘れたの)生まれたときはみな濡れていた

 

痛むほど光はあるが。井戸端に飛沫のように咲く桜草

 

 

5月ごろの吟行詠がもとでした。

連作・そしてまた夜は(アンソロジー・人は死んだら電柱になる 寄稿作品)

 

 2014年夏コミ頒布開始「人は死んだら電柱になる」アンソロジーへの提出作品です。アンソロジーは現在は頒布終了 、国会図書館に納入されています。詳細は以下から。

人は死んだら電柱になる | アンソロジー告知サイト

 

掲載当時はレイアウトも各自で自由に決められることとなっていたため、散文と短歌の間にページの切れ目が入るよう調整していました。今回、web再録にあたり、一部加筆修正と合わせ演出を変えています。

47名と大人数のアンソロジーでしたが、いろんな作品があって面白かったです。

主催の遠すぎる未来団の皆さま、その節は有難うございました。

 

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百年(うたつかい・夏 第23号)

 

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過労死の多い炭鉱であるほど小鳥の声は澄むという嘘

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3首目は4年ほど前にtwitterで詠んだ歌でした。