海なんて知らない僕の手のひらでいま燃えあがる貝の火の色
東直子欄選でした。ありがとうございます。
その器は欠けている
海へ降る雨を日永に眺めれば火は一人称を知らないままで
テーブルのペットボトルの紙コップななめのままに了承される
開かれて床に散らばるとりどりの そうかおまえもhydrangea
国会質疑書き起こしメモ読む昼休み台風の目は馬の目のように震えて
閉架式書庫の暗さに貝殻はできそこないの虹を抱えた
つまり陸とは海の眷属。霧雨にくりかえしくりかえし火を打つ
毎年参加している「水」がテーマの合同歌集ネプリ企画「みずつき」への参加作品でした。主催の千原こはぎさん、いつもありがとうございます。
なお「みずつき7」全体の誌面はこちら。
一首評いただいてました。ありがとうございます。
こちらの選にいれていただいていました。ありがとうございます。
ひとつだけ
ひとつだけ、とねだった花にみえるから燃やしていない線香花火
トリ、メダカ、ロボット、サクラ、ライカ、ベルカ 名づけるほどにさみしくなった
色彩で話せるならばいまはもう菫色、の、濃淡ばかり
ベランダに火薬の匂い残るころ燃えさしとして眠りに向かう
青空の真下にひとりそのような作中主体にいつかも会った
テーマ詠 「文房具」
「深海」を「月夜」に変えて書いてみる最初の歌に夜の雪が降る
牛隆佑さんのコラム「牛さんの短歌なう!」第6回「私家版歌集ってどうですか?」で、私家版歌集の事例のひとつとして「ヴァーチャル ・リアリティー・ボックス」を挙げて頂いてました。ありがとうございます。
こちらで一首評を書いていただいていました。ありがとうございます。