2013-01-01から1年間の記事一覧
括り髪ほつれて落ちる一筋もわずかに光り過ぎてゆく夏
美しい言葉のために用意したノートの白を惜しんでしまう (テーマ:紙)
傍にいるだけなら猿にもできるだろう私はいつも許される役 (テーマ:優)
されば若夏 放つておいても枇杷みのりひとの往き来のしづかさの外 / 今野寿美 種はどんな種でも種だから、埋めたら必ず芽が出るとわたしは言ったのだけれど、 あの子たちは一人としてそれを信じなかった。 煉瓦色の鉢は花壇で見つけた。団地共有の花壇は手…
あ。わたしの中の水位が上がりだし波際白くあわ立っている。 夏の灯はみな脈をもちここからは素足で触れてゆくアスファルト この夏も過ぎてゆくものだと思う光る窓辺の影ばかり見る 夕暮れに塗り潰されていく私 君から見れば影なんだろう 誰も誰も悪い人など…
がっこんと滝の速さで落ちるのでしゃがんで掬うアルプスの水
夕映えに揺れる手のひら繋がれてのぼりだしたら訪れる夜
眩しいと思った夏の影は長い人と人との谷間も暮れる
息をまた大きく吐いて喋るたび君は泡、泡、泡の向こうへ
窓ガラス一面を切り刻む雨無防備なまま君は傷つく 6/21〜25開催。テーマは雨でした。ありがとうございました。http://nick.dtiblog.com/?i&no=44http://togetter.com/li/522129
我が愛すものの一部と思へども見たことはなし日本てふ国
慣性の法則によりいつまでもわたしは君に傷付かないの
(おれ以外だれも傷つくなよ)若い緑は光る、きらきら光る
だいじょうぶ、怖くはないよ。カステラの黄色をあげる、たくさんあげる
夏の花みな誇らかに歌いだしそんなことにも傷付いている
銃口を突きつけられた顔をして間違うことを許せない君
ドゥーユーノウ? これがペンだと言うような君の言葉だ(イエス、アイノウ)
悔恨と呼び得るものは何も無く夕暮れが来て影は濃くなる
玉葱の芯に似た冷たさで立つ我らの中の少年少女
あれは星? 触れた指先痛いほど冷やして消えた(あれは、後悔)
おすわりの姿勢で空を見上げればわたしと空のもうふたりだけ
遠い日の花火のようなものをただ見送っている いくつも見たよ。階段を下る足音響くたび節電灯は夢から覚めて夏の花みな誇らかに歌いだしそんなことにも傷付いている わたくしはわるい人間なのだろうなんでも文字に変えてしまって いつもある私の中の凪いだ水…
ここに穴が、穴があるよという声がするので今日もちゃんと目覚める性別を示す数字の間にも小数点以下はあるだろう朗らかに君は正論告げるけどつよいとこわいの漢字はおなじおすわりの姿勢で空を見上げればふたりきりにも似ている青だうつくしいゆうやけのこ…
断絶という名の風が過ぎていく夏の日差しの貫く中を
獰猛な獣を抱いて人はみな横断歩道渡り始める
その町の町はずれでは影のない子どもらもみな生きているとか
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購入のボタンクリックするたびに闇にちらばる浄財の音
街中を彷徨うルンバの真似をして頭をぶつけながら逃げ出す
街中を彷徨うルンバの真似をして頭をぶつけながら逃げ出す何もかも光ってしまう窓辺では幸福ばかり目に付くのですほんとうは先も見えないままの笑みドアの向こうは乾いているね生き延びた者だけがいるこの星に足跡のつく重さで歩く 海は凪小さな舟は虹を産む…