2014-01-01から1年間の記事一覧
見開きになった絵本の水彩は余白の白が一番きれい
沈黙があなたの武器であればいい芸術論はみな風にする
残照を呼べば手を振る影がありあなたの顔は忘れてしまふ
一滴も濁らないまま夕暮れの夏空すべて藍に染まった
君に傷が残るといいな笑うように戒めるように息を吐いてる
「ごたいせつ」と呼ばれて愛は咎人の束の間あたる春の陽のやう
もうずっと空とか見てないと思う地下街に似た明るさの中9票いただいてました。ありがとうございました。 (一人15票まで投票可能) http://www.tankachop.com/
思い出す頻度が徐々に増えていて つまりは君を忘れたのだろう
同族が欲しいと思う春の夜の岬はすべて青ざめた指
爆音よ君はそれでも行くんだろうセンターラインの白い十字へ
ぐちゃぐちゃの嫉妬も汗も拭いさり正しく箸を持っている手だ
賛成の方は挙手をと声がしてもう百年の静寂を眠る
お別れは降るものですね桑の木を手のひらばかり回り続ける
出発の時刻をとうに過ぎているプラットフォームのように明るい
(ガリバー旅行記のヤフーは絶え間無く争い、無益な輝く石を切に求めているという。)ヤフー僕らは美しくないねここにある言葉がみんな光らないんだ
滅び去った巨人のように尊大な言葉ばかりが広がってゆく
一生の果ての向こうの暗闇に立ってる人をもう知っている
首都高のオレンジの灯に目を刺され仕事のミスを忘れられない(テーマ:高)
地上へ さやさやと降る雨音に起こされて冷たい頬を手で温める朝飲んだ水は今頃心臓の薄赤色に染まりだす頃おしまいの日のお天気を考える朝の列車はまだ動かないいずれ処刑される王侯貴族らのように豪雨が過ぎるのを待つ断面に盛り上がりだす水滴は鉄の匂いを…
夢の跡。君のオカリナ吹いたこと。窓の下へと手を振ったこと。
冷凍の鮭の切れ目が鍋の中取り戻しだすやわらかな赤
ぼくたちはちょっとずつずれて日を回す中華料理のお皿みたいに
宴席の声は分厚い雲となり土砂降りだなと氷を回す
バックルを留めれば足の甲に風ふわり春へと歩き始める
ふいに何かが視界を因数分解したような朝だ虹が揺れてる
理由とか考えたくないような夢見て目覚めれば光るパソコン
人のものを盗んだようです。母の字を古い連絡帳に見付ける
君の砂がこんなとこにも入ってて振って叩いて結局捨てる
栗ご飯の米に染み付いた甘さのような記憶がまだ残ってる
噴水、あれは燃えることのない流星。旅立ったなら帰りましょうね