2014-01-01から1年間の記事一覧
逆位置の「皇帝」円の真ん中に置かれて錫は離さないまま
スクリーンセーバーに似た窓があり午後の光が反射している
格子模様をチェックと読んで過ぎていく家を出て行く人との会話
目に見えぬ編目の中に囚われて啓示ばかりが注がれている
(まるで火を焚いているよう)誰もいない議事堂へ向け怒号がのぼる
声色に潜んだ愚痴をはかるため試されている絶対音感
反射する海の明るさ受けとめてかはたれ時の棚田をくだる
三年目の題詠マラソンも終わりました。主催者様ありがとうございました。 今年はいつもより早めに終わりました。一、二年目ともに、とにかく完走することに意義がある(はずだ、そうであってほしい)いうスタンスで今年も同様のスタンスで進めたのですが、改め…
聡明な明るさの中わたくしの断崖は光りながら消えゆく
もう君はほのかな夢となつていてめざめた秋のあかとき静か
死者帰ル電線ト火ヲ辿リツツ盆には帰ル必ず帰ル
ああ焼けた匂いは知らない戦いに負けたことなど忘れてるから
通勤は不気味の谷を経由してヒトの顔してホームに降りる
ご銘はと聞かれて不意に思い出す過ぎ去っていた風の名前を
こちら側ではない方にいる、いる、いる、と歯を剥き出してお前は告げた
しっとりと君を濡らした雨雲はもはや消えたとテレビが告げる
もろこしの真白い粒を見つけ出し使用している排除の論理
両足を緋色の沼に浸すごと歩いてゆけば浴びる熱風
新しい手帳を開く手つきにて真白いシャツのボタンを外す
すうすうとミントの味をお互いに浸透させるさびしいあそび
砲台のように太鼓は空仰ぎ抱かれながら殴られている
ぼくたちが車に轢かれたそのときも妖怪ウォッチは有効ですか
をんなではないなと思ふ。病院の淡いピンクがひどく似合わぬ
遠吠えをたなびかせ走る窓の灯は(イッツ・ショー・タイム)まだ燃えている
待つことは燃えていること水面の煉瓦倉庫の赤が歪だ
勧善懲悪なんてないこと知りながら君の掲げた青が痛い
ライ麦畑で腕を広げるように笑う君の傷など暴きたいのだ
タイトル通り、人は死んだら電柱になるという設定だけを共有した創作同人アンソロジーに寄稿させて頂きました。 そもそも何でそんな設定のアンソロが……など、詳細は以下の専用サイトをご覧下さい。togetterが面白いです。http://deadendpole.wordpress.com/ …
凄惨に笑った君の横に立つここは静かで頬だけ熱い
訪れていない県名を数えるコンビニのおにぎりの具みたいに