つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

サルベージ・曇天

ドラッグを売る店のなお明るくて群がっている眠れぬ羽虫

「お隣の人と一緒にやりましょう」教室出てもずっと、ずうっと

歴史書は読み終えぬまま過ぎる時 代わりに賢くなんてなれない  

議事堂を俯き回る人々の「ほんださん、って、いるんでしょうか」

逆説の言葉点々撒きながら わたしのおうちに辿り着けない

唇に触れたのはもう雪でした打たれながらも水は綻ぶ

来年の今日も必ず咲くように今は花びらとめどなく降れ