つきのこども/あぶく。

おはなしにならないことごと。

サルベージ・沈黙の行進

一瞬で崩れる細工を夢想する私の職場は九階にある 

沈黙の行進として窓の灯は光り続ける夜が明けるまで

おとなしく老いた愛馬を引くように低弦担ぎ歩み去る人

呑むことを忘れるために呑む酒のように過ごして迎えた夜更け

「たましいは月面でのみ呼吸する」列車の窓から誰かが告げる