わたくしがわたくしを殴る縁日の琉金 尾っぽのあざやかなこと
髪洗ふおふぇりや達にことば、ことば
湯上がりのような顔して改札を並んで抜けて明日の約束
真夜中のしづかな踊りぼくの影
ハンドソープ押しだすように陽はあふれ死者と生者の影淡くなる
突き出したかいなの群れよ みどり みどり
今日の日の終わりみおくるようにして髪よりおちる泡のいのちは
たぶんもうこの世にゐないのよ琉金
北極のけものの溶けてゆくすがた匙ゆるやかに運ばれてゆく
氷菓溶けるいつか化石となる日まで
手触りを確かめながら少しずつずらしてここらで止める 言葉を
うつくしいはずの箱庭 椅子を置く
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Twitterのイベント、「CDTNK夏フェス2017」に平田有さんと共作で連作を作成、さんかしました。連作は夏の季語(season words)から、髪洗ふ、氷菓、琉金、をどり、箱庭、万緑の6つを選定(二人でそれぞれ好きなものを上げました)、ひとつの季語に短歌1首と俳句または川柳1句を分担する形で作っています。
拙作は
湯上がりのような顔して改札を並んで抜けて明日の約束 (季語・をどり)
ハンドソープ押しだすように陽はあふれ死者と生者の影淡くなる (季語・万緑)
手触りを確かめながら少しずつずらしてここらで止める 言葉を (季語・箱庭)
髪洗ふおふぇりや達にことば、ことば (季語・髪洗ふ)
になります。
平田さんが以前から川柳を作っているのとここ最近ちょっと俳句に興味があったので混ぜてやってみようかと思ったのですが、季語からのジャンプの仕方からも分かる通り、普段やっていない俳句が予想通り難しかったです。あと、二人の作風というか定型感覚は結構対照的だと思っていたので、題詠というのもあったとはいえ、連作としてうまくまとまったのが意外でもあり面白かったです。
なおイベント最後のグランドフィナーレ(題詠・夏)で詠んだ歌はこちら。
灰のまままだ立っている「あの夏」と呼ばれる夏のひそやかな熱