題詠2012
うつくしいものならあると信じたい乱視の空に震える眉月
不揃いなかたちどうにかすり減らし生きているのでまあるい世界
期限切れのカードの束に刃を入れて過去の私をじゃきじゃき殺す
右足の親指が浮くその度に僕のうしろで消える道程
地下深く注ぐ電波を受けながらイヤフォーンから青空の歌
ハイドンの忍ぶ足取り軽やかに「驚愕」第二楽章は鳴る
あの時代にも誰か自嘲(わら)っていたの? さよなライオン何も出来ない
点灯夫はあかりをもってゆきのはら足跡つづくてんてんてん、 点
果ての無い丸い星にもおしまいは必ずあると言う地平線
一人行く私の頭に満開の花よ散れ散れわたしはげんき
塩の隣には胡椒を幸せはそんなものだと詩人が言った
今はまだ笑っていよう溶け残る砂糖の粒をスプーンで掬う
題詠2012に参加表明。 短歌はまったくの初心者です。宜しくお願いいたします。 淋しさを夜の川より集めれば 掌に落ちる明るい宴 (トラックバック方法を間違えておりすいません……)