題詠2012
初参加が無事終わったので、記録として。基本スペック。元々短歌は読むのは嫌いではなかったのですが(かんたん短歌blogはよく覗いていました。その後、文学フリマの詩歌コーナーを友人に紹介されて色々見て回るように)、1月に好きな劇団が解散したのを切…
完走しました。所要期間は半年弱といった所でしょうか。 初参加のためまずは参加することに意義がある、と思っていますが、色々と面白い体験でした。運営の方、有り難うございます。 トラックバックミス等でご迷惑をおかけしてすいません。 完走者のお作を、…
この先で待っているよと言いながら振り向いてみるひとりの道を
うそつきは嫌いといううそつきばかり素肌のような趣向をはたく
本当に激しく燃える火は青いあれは不知火、人の魂
臍の尾を切られたあとが痛むので手当たり次第つかむ蔓草
拭き取った色と一緒に告げるべきことを忘れた顔にタオルを
ただ春に薄紅の花咲かすため死人のように捻れる大樹
加担した罪悪感が君もまたそんな大人になったねと言う
わたくしである条件すらも溶けていく青い空には空だけがある
受話器から響く童謡に合わせて広がっていく黒い渦巻き
この星をひとまわりした電線が君と僕とを締め上 げていく
もどかしい言葉の代わりに花だけを舌下に埋めた種子が溶けだす
勇敢な夏の青さえ褪せていく喪うことが怖い夕焼け
右斜め45度の訂正印「ただしくない」を定位置として
息を吸うチャンス逃したテーブルが笑い続けるアフターファイブ
夜はただ薄まるばかり銀の匙押し潰されるゼリーの欠片
手の甲に浮かんだ骨の筋のみが生き物である人混みを掻く
まだ生きていかなくちゃべたべたしてる。「西洋骨董洋菓子店」(アンティーク)文庫版開いて
そのほかはすべて邪推となるゆえにストローだけが踊るテーブル
丸まれば天気予報も分からずに布団の中で苔玉となる
見送ってばかりいた風見の鶏がはぜの葉のせて風に乗る秋
前世では恋人だった電柱をたわむれに抱く やはり冷たい
「かつてここ一帯が戦場でした」晴天の下告げる幽霊
(査定では全て合格)出荷されなお落とされる不要な手足
ローリング追い掛けないで抜かないで転がるような足踏みをする
こんなにもうしなってから時は経ち実った桃が掌にある
透明な涙も既に飽和して溶け残るものはいつも醜い
唇を尖らせながら暮らしてる言い返せない「無精者めが」
走るべき線路の入口見付からぬ地下鉄たちの隠れてる車庫