2012-01-01から1年間の記事一覧
右斜め45度の訂正印「ただしくない」を定位置として
世界へと焦点がまだ合わぬので月も私も二人おります 地下街の食事に並ぶ明かりたち もしも地上が沈んでいたら全てのAボタンを連打せよ雨はステージクリアの見えぬ曇天駅前は人肉の匂いで溢れ みんななにかを食べに行くのね 逆光でぶれた視界を夕暮れに過ぎて…
ベランダで雨雲を待つ傘布が振り向かぬまま透かした光流れない涙ばかりで満ちてゆく水の袋になってしまった 太陽が明日も昇るかのようにふつうであると赤い唇 寝静まる夜の隙間に産まれ落ちひとりでに死ぬ生き物がいる 集会後の空は強風 今、すべての夜の夢…
息を吸うチャンス逃したテーブルが笑い続けるアフターファイブ
夜はただ薄まるばかり銀の匙押し潰されるゼリーの欠片
手の甲に浮かんだ骨の筋のみが生き物である人混みを掻く
まだ生きていかなくちゃべたべたしてる。「西洋骨董洋菓子店」(アンティーク)文庫版開いて
薄まった夜に掌透かしたら溶けだしていく夜の生き物 同じ場所走り続ける秒針の痙攣耳に落ちていく夢 すべて夢だったのですよ。夜が来て目覚めた私がひとり呟く静寂が午睡の国に着かぬまま山手線の窓から、ひかり 大股で踏み出す通奏低音/主よ人の望みのよ …
そのほかはすべて邪推となるゆえにストローだけが踊るテーブル
丸まれば天気予報も分からずに布団の中で苔玉となる
見送ってばかりいた風見の鶏がはぜの葉のせて風に乗る秋
前世では恋人だった電柱をたわむれに抱く やはり冷たい
目覚めれば緑の微熱帯びたまま水の匂いに埋め尽くされるたっぷりと含ませるには惜しいので枝の先から春のきみどり青い青いシャガの草むら駆けていく冷たい露が足から回る 船の帆を、カーテンを、樹の枝を、葉を、膨らませ風は私を過ぎるハイヒールがっつがっ…
「かつてここ一帯が戦場でした」晴天の下告げる幽霊
(査定では全て合格)出荷されなお落とされる不要な手足
ローリング追い掛けないで抜かないで転がるような足踏みをする
こんなにもうしなってから時は経ち実った桃が掌にある
透明な涙も既に飽和して溶け残るものはいつも醜い
唇を尖らせながら暮らしてる言い返せない「無精者めが」
走るべき線路の入口見付からぬ地下鉄たちの隠れてる車庫
狭い部屋合法的に叫びだすための歌さえもう忘れてる
触れたなら燃やしてしまう。灯籠の炎のように震えてる君
路地裏のマンホールの蓋回しつつ曲芸師らは夕暮れを行く
雪、嵐、カレー、夜更かし、細い道。大人にはもうつまらないもの?
私にも倒せるほどの巨大さの悪があったら、あればいいのに
はたはたと震えて落ちるひとひらが泣けないきみに泣こうよと言う 散らされた花も北ではまだつぼみ。悲しいことはまだ起きてない ふかふかのぷーさんの手の下頭入れてなでなでしてもらうふり 「お花見の穴場はこちら」細い木の花に埋もれた雀が笑う 花びらを…
自動じゃない扉の前に立っていて開かないのでまだ立っている (テーマ:開)
絡み合うかたまり幾度も指で撫ぜほぐれた鎖の先を探す
溜め息もチューニングされてるなんて。ボーカロイドは嘆きつ歌う
がしゅがしゅとキャベツの酢漬け噛みしめて自分の口を痛めつけてる