2012-01-01から1年間の記事一覧
本当は第一志望じゃなかったにんげんをまだ止めずにいます
久しぶりもう大丈夫と言う君と笑いあう夢毎日見てる
掛軸を広げる手付きで風は揺れ進水式の始まり告げる
死ぬだろうカップに沈む花びらも沈ませたまま飲み干していく 星さえも回る速度はのろくなり白い微熱に震える夜空何度でも生まれ変われる本当にどよめきながら空への脱皮 まだここは最後の場所じゃないだろう 掌振れば最後の一人 頭下げ紙差し出して赤く丸い…
企みは全て成功一斉に開いた花が呵々と大笑
送り手の分からぬプレゼントとして君の視界を桜で染める
真夜中の後頭部から声がして誰も私にごはんをくれない 嘘不信逃げる疑う責め立てる貴方がいない貴方がいない ぼくだけが一番だって言っててよ意味が無くても言って、言ってよ ぼくだけがいてほしいって言っててよ意味が無くても言って、言ってよここからはも…
痛い傷抱いた貝が全て丸い真珠を吐いて眠れますよう
「悪かった」狩の場めぐるその度に涙を落とす鰐もいるとか
ひとりでは飛んでいくことできなくて溜め息揺らす風船の紐
液晶を灯せば人の声はするひとり晩餐会の始まり
そよそよとそよぐ笑みのみする君のきっとはいつも否定の言葉
武器ならば持っているぞとビニ傘を携え風に走る少年
流されるままにいつしか渋谷駅明日の記憶を忘れてしまう
世話かけた記憶ばかりが甦り全てを許す(錯覚)三月
包囲網かごめかごめかごめの問う声は聞こえないふり 家路を探す
一行を落下していく指先に刻まれ消える活版の黒
まだ小さい足が冷たくならぬよう海一面に花びらを敷く
謎、魔法、シャツ、鍵、電話 かけられて 最後に優しい声だけ残る
月光に紛れて腕をさ迷わせ貴方の角に一瞬触れた雲がみな腫れぼったくて飲むコーヒー夢の中では泣いてましたか 私だけ乗せれば雨に沈むほど小さくもない君の方舟 「ほんとうに人間はいいものかしら」狐のふりで呟いてみる もういないもういないんだと伸びた手…
「ふるさと」は柔らか過ぎて似合わぬとそっと箪笥に隠す東京
月光を貫き濡れる犀の角つるりと撫でる 君は、冷たい
罰という言葉も知らず蜘蛛の巣に砕かれ光る蝶々の羽根
幾千の足引き抜いて山駆けるドライアードの満月の夢 ドライアード……樹精(dryad)
暗闇に輝点積み上げ生きる街あか・みどり・あお 砂嵐吹く
曇天を銀色に裂く稲光じっと見上げる 手放して良い
ひそやかなまじないにより春が来るコーンスープの鍋を混ぜれば 花びらの開く音して梅の香は冬の夜空へひかりの速さ 抱き締める相手が欲しく電線に重さ預けて真夜中の蔓 もう君は何処へも行かず死んでいい飾ってやろう藤の花房電源の供給源が見つからず目覚め…
君の方舟に私が乗ったって喫水線は上がりはしない
ありきたりな嘘にいつも気づけない勉強なんてしてないよとか
つま先で春を蹴り上げまた一歩落としてはだめ落としてはだめ